ニュース速報
ビジネス

GDP10─12月期、年率2.8%増 外需寄与し3期連続プラス

2025年02月17日(月)11時40分

内閣府が17日発表した2024年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.7%増え、3四半期連続のプラスとなった。都内で2021年6月撮影(2025年 ロイター/Kim Kyung-Hoon)

Kentaro Sugiyama

[東京 17日 ロイター] - 内閣府が17日発表した2024年10─12月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動の影響を除いた実質(季節調整値)が前期から0.7%増え、3四半期連続のプラスとなった。年率換算では2.8%増。GDPで控除項目となる輸入が減少し外需寄与度がプラスに転じたことが押し上げた。半面、内需の弱さも指摘されている。

24年暦年の実質GDPはプラス0.1%で、4年連続のプラス成長となった。赤沢亮正経済再生相は同日発表した談話で、雇用・所得環境が改善する中、景気の先行きは「緩やかな回復が続くことが期待される」と述べた。

ロイターがまとめた民間調査機関17社の予測によると、10─12月期実質GDPの予測中央値は前期比0.3%増、年率換算で1.0%のプラス成長で、速報値はこれを上回った。

GDPの過半を占める個人消費は前期比0.1%増と、3四半期連続のプラスとなった。飲料や外食などが減少した一方、白物家電や宿泊などが増加に寄与した。個人消費とともに内需の柱となる企業の設備投資は同0.5%増と、2四半期ぶりのプラスで、半導体製造装置やプラントエンジニアリング、ソフトウエアなどへの支出が増加したとみられる。

民間住宅は同0.1%増で3四半期連続のプラス。公共投資は0.3%減で2四半期連続マイナスだった。

内需寄与度はマイナス0.1ポイントで3四半期ぶりマイナス。外需寄与度はプラス0.7ポイントと5四半期ぶりのプラスとなった。農林中金総合研究所の南武志・理事研究員は「内需の弱さが際立った」と指摘。「輸入が減って外需寄与度を押し上げたが、外需寄与度がプラスになったことをもって外需主導と呼ぶかどうかは少し難しい」とし、日本経済のけん引役が不在だったとの見方を示した。

国内の総合的な物価動向を示すGDPデフレーター(原系列)は前年同期比2.8%上昇。上昇幅は7─9月期の2.4%から拡大した。

雇用者報酬(実質)は前年同期比プラス3.3%と、7─9月期のプラス1.4%から拡大した。24年春闘における賃上げが徐々に実際の給与に反映されてきており、所得環境は改善している。

24暦年の名目GDPは609兆円と、初めて600兆円を超えた。赤沢経済再生相は談話で、景気の緩やかな回復の継続に期待を示しつつも「中国など海外経済の下振れリスクや、米国の政策動向による影響、食料品など身近な品目の物価上昇の継続が消費者マインドの下押しを通じて個人消費に与える影響に十分注意する必要がある」と述べた。

*内容を加えて再構成しました。

ロイター
Copyright (C) 2025 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

韓国最大野党の李代表に逆転無罪判決、大統領選出馬に

ビジネス

独VWの筆頭株主ポルシェSE、投資先の多様化を検討

ビジネス

日産、25年度に新型EV「リーフ」投入 クロスオー

ビジネス

通商政策など不確実性高い、賃金・物価の好循環「ステ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
特集:まだ世界が知らない 小さなSDGs
2025年4月 1日号(3/25発売)

トランプの「逆風」をはね返す企業の努力が地球を救う

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取締役会はマスクCEOを辞めさせろ」
  • 4
    「トランプが変えた世界」を30年前に描いていた...あ…
  • 5
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 6
    トランプ批判で入国拒否も?...米空港で広がる「スマ…
  • 7
    「悪循環」中国の飲食店に大倒産時代が到来...デフレ…
  • 8
    【クイズ】アメリカで「ネズミが大量発生している」…
  • 9
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 10
    老化を遅らせる食事法...細胞を大掃除する「断続的フ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 5
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 6
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 7
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    【クイズ】世界で2番目に「レアアース」の生産量が多…
  • 10
    古代ギリシャの沈没船から発見された世界最古の「コ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    テスラ離れが急加速...世界中のオーナーが「見限る」ワケ
  • 3
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 6
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 7
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 8
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 9
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 10
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中