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中国輸出、5月予想以上の落ち込み 内外の需要低迷で輸入も減少

中国税関総署が7日発表した5月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年比7.5%減となり、市場予想(0.4%減)よりも大幅なマイナスとなった。写真は山東省青島港。チャイナデーリー提供(2023年 ロイター)
[北京 7日 ロイター] - 中国税関総署が7日発表した5月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年比7.5%減と1月以来の大幅減少となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(0.4%減)よりも大幅なマイナスとなり、4月の8.5%増から大きく落ち込んだ。
輸入は前年比4.5%減。エコノミスト予想は8.0%減だった。4月の7.9%減から減少ペースは鈍化した。
国内外の需要低迷が続く中、製造部門の生産が鈍化しており、アナリストらは年内の中国経済に対する見通しを下方修正している。
5月の人民元建て貿易統計は、輸出が前年比0.8%減、輸入が2.3%増だった。
ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は「輸出の低迷は、世界経済が減速する中、中国が内需に頼らざるを得ないことを裏付ける」と指摘。「世界的な需要が下半期にさらに弱まる可能性が高いため、年内は政府に国内消費を促す圧力がより強くなる」と予想した。
輸出と輸入の不振は国内と海外、特に先進国の中国製品に対する需要の低迷を反映している。
5月の対米貿易黒字は公式統計を基にしたロイターの推計で281億6000万ドル。4月の296億8000万ドルから縮小した。
韓国の5月の中国向け輸出は前年比20.8%減で12カ月連続のマイナスだった。
一方、中国の半導体輸入は15.3%減少。半導体を必要とする家電の輸出低迷が背景にある。
原材料の需要も総じて弱く、石炭や銅などの輸入が減少した。
キャピタル・エコノミクスの中国担当責任者ジュリアン・エバンスプリチャード氏は「輸出は年内に底打ちするまでさらに減少すると見られる」とし「中国国外で金利はピーク近くになっているものの、先進国では大幅利上げの影響が年内に出てきて経済活動が減速し穏やかなリセッションに陥る国が多いだろう」と述べた。