ニュース速報

ビジネス

中国輸出、5月予想以上の落ち込み 内外の需要低迷で輸入も減少

2023年06月07日(水)16時49分

 中国税関総署が7日発表した5月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年比7.5%減となり、市場予想(0.4%減)よりも大幅なマイナスとなった。写真は山東省青島港。チャイナデーリー提供(2023年 ロイター)

[北京 7日 ロイター] - 中国税関総署が7日発表した5月の貿易統計(ドル建て)は、輸出が前年比7.5%減と1月以来の大幅減少となった。ロイターがまとめたエコノミスト予想(0.4%減)よりも大幅なマイナスとなり、4月の8.5%増から大きく落ち込んだ。

輸入は前年比4.5%減。エコノミスト予想は8.0%減だった。4月の7.9%減から減少ペースは鈍化した。

国内外の需要低迷が続く中、製造部門の生産が鈍化しており、アナリストらは年内の中国経済に対する見通しを下方修正している。

5月の人民元建て貿易統計は、輸出が前年比0.8%減、輸入が2.3%増だった。

ピンポイント・アセット・マネジメントのチーフエコノミスト、張智威氏は「輸出の低迷は、世界経済が減速する中、中国が内需に頼らざるを得ないことを裏付ける」と指摘。「世界的な需要が下半期にさらに弱まる可能性が高いため、年内は政府に国内消費を促す圧力がより強くなる」と予想した。

輸出と輸入の不振は国内と海外、特に先進国の中国製品に対する需要の低迷を反映している。

5月の対米貿易黒字は公式統計を基にしたロイターの推計で281億6000万ドル。4月の296億8000万ドルから縮小した。

韓国の5月の中国向け輸出は前年比20.8%減で12カ月連続のマイナスだった。

一方、中国の半導体輸入は15.3%減少。半導体を必要とする家電の輸出低迷が背景にある。

原材料の需要も総じて弱く、石炭や銅などの輸入が減少した。

キャピタル・エコノミクスの中国担当責任者ジュリアン・エバンスプリチャード氏は「輸出は年内に底打ちするまでさらに減少すると見られる」とし「中国国外で金利はピーク近くになっているものの、先進国では大幅利上げの影響が年内に出てきて経済活動が減速し穏やかなリセッションに陥る国が多いだろう」と述べた。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米経済、26年第1四半期までに3─4%成長に回復へ

ビジネス

米民間企業、10月は週1.1万人超の雇用削減=AD

ワールド

米軍、南米に最新鋭空母を配備 ベネズエラとの緊張高

ワールド

トルコ軍用輸送機、ジョージアで墜落 乗員約20人の
MAGAZINE
特集:世界最高の投手
特集:世界最高の投手
2025年11月18日号(11/11発売)

日本最高の投手がMLB最高の投手に──。全米が驚愕した山本由伸の投球と大谷・佐々木の活躍

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ギザのピラミッドにあると言われていた「失われた入口」がついに発見!? 中には一体何が?
  • 2
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評家たちのレビューは「一方に傾いている」
  • 3
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 6
    コロンビアに出現した「謎の球体」はUFOか? 地球外…
  • 7
    「流石にそっくり」...マイケル・ジャクソンを「実の…
  • 8
    冬ごもりを忘れたクマが来る――「穴持たず」が引き起…
  • 9
    【銘柄】エヌビディアとの提携発表で株価が急騰...か…
  • 10
    【クイズ】韓国でGoogleマップが機能しない「意外な…
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 4
    『プレデター: バッドランド』は良作?駄作?...批評…
  • 5
    「座席に体が収まらない...」飛行機で嘆く「身長216c…
  • 6
    ドジャースの「救世主」となったロハスの「渾身の一…
  • 7
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2…
  • 8
    筋肉を鍛えるのは「食事法」ではなく「規則」だった.…
  • 9
    「路上でセクハラ」...メキシコ・シェインバウム大統…
  • 10
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 8
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 9
    今年、記録的な数の「中国の飲食店」が進出した国
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中