ニュース速報

ビジネス

米GDP、22年第4四半期は2.9%増で予想上回る 底堅い成長維持

2023年01月27日(金)10時10分

 米商務省が26日発表した2022年第4・四半期の実質GDP速報値は年率換算で前期比2.9%増と、伸びは市場予想の2.6%を上回った。写真はニューヨークのマンハッタン地区。2021年8月撮影(2023年 ロイター/Andrew Kelly)

[ワシントン 26日 ロイター] - 米商務省が26日発表した2022年第4・四半期の実質国内総生産(GDP)速報値は年率換算で前期比2.9%増と、伸びは市場予想の2.6%を上回った。堅調な個人消費を追い風に底堅い成長を維持した。しかし、金利上昇が需要を圧迫する中、成長の勢いは年末に向けて著しく失速したもよう。

在庫の急増も成長押し上げに寄与した。

BMOキャピタル・マーケッツのシニアエコノミスト、サール・グアティエリ氏は「米経済は崖から落ちているわけではないが、スタミナを失いつつあり、今年初めに縮小するリスクがある」とし、「米連邦準備理事会(FRB)の動きは今後数カ月であと2回の小幅な利上げにとどまるだろう」と述べた。

ロヨラ・メリーマウント大学のサン・ウォン・ソン金融・経済学教授は「金利上昇への反応の大部分は、すでに経済、金融市場で具現化している」と指摘。「FRBは経済の減速に成功したため、出口戦略を考える時期に差し掛かっている」と述べた。

22年通年のGDPは前年比2.1%増。上期に1.1%減となったものの、下期に盛り返した。第3・四半期は3.2%増だった。しかし、21年の5.9%増から伸び幅は縮小。FRBは昨年、425ベーシスポイント(bp)の利上げを実施し、政策金利は07年終盤以来の高水準に達した。

米経済活動の3分の2超を占める個人消費は2.1%増。堅調な労働市場やコロナ禍中に積み上がった貯蓄に下支えされ、自動車を中心にモノへの支出が増加した。ただ、伸びは第3・四半期の2.3%からやや鈍化した。

物価調整後の家計の可処分所得は3.3%増。第3・四半期は1.0%増加していた。

貯蓄率は2.9%と、2.7%から上昇した。

在庫は1299億ドル増と、第3・四半期の387億ドル増から急拡大し、GDPの伸びを1.46%ポイント押し上げた。

在庫、政府支出、貿易を除く民間国内最終消費は0.2%の増加にとどまり、第3・四半期の1.1%から増加ペースが鈍化。伸びは20年第2・四半期以来最少となった。

CMEグループのシニアエコノミスト、エリック・ノーランド氏は「企業が過剰在庫の削減に動き、在庫増は23年初頭の成長に悪い兆候となる可能性がある」としている。

*動画を付けて再送します。

ロイター
Copyright (C) 2023 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエルがイラン再攻撃計画か、トランプ氏に説明へ

ワールド

プーチン氏のウクライナ占領目標は不変、米情報機関が

ビジネス

マスク氏資産、初の7000億ドル超え 巨額報酬認め

ワールド

米、3カ国高官会談を提案 ゼレンスキー氏「成果あれ
MAGAZINE
特集:教養としてのBL入門
特集:教養としてのBL入門
2025年12月23日号(12/16発売)

実写ドラマのヒットで高まるBL(ボーイズラブ)人気。長きにわたるその歴史と深い背景をひもとく

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    懲役10年も覚悟?「中国BL」の裏にある「検閲との戦い」...ドラマ化に漕ぎ着けるための「2つの秘策」とは?
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 5
    「何度でも見ちゃう...」ビリー・アイリッシュ、自身…
  • 6
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 7
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 8
    中国最強空母「福建」の台湾海峡通過は、第一列島線…
  • 9
    ロシア、北朝鮮兵への報酬「不払い」疑惑...金正恩が…
  • 10
    ウクライナ軍ドローン、クリミアのロシア空軍基地に…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 5
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 6
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジア…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 8
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中