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ユーロ圏総合PMI改定値、12月は2011年2月以来の高水準

1月4日、IHSマークイットが発表した12月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.1と、 前月の57.5から上昇し、2011年2月以来、ほぼ7年ぶりの高水準となった。2017年11月撮影(2018年 ロイター/Leonhard Foeger)
[4日 ロイター] - IHSマークイットが4日発表した12月のユーロ圏購買担当者景気指数(PMI)改定値は58.1と、 前月の57.5から上昇し、2011年2月以来、ほぼ7年ぶりの高水準となった。主要国全般でサービス、製造業の活動が活発化し、景況改善・悪化の分かれ目となる50を大幅に上回った。
速報値は58.0だった。
欧州中央銀行(ECB)は今月から債券買い入れ規模を月額300億ユーロに半減するが、こうした好調な経済指標は量的緩和の年内終了に向けた圧力となりそうだ。
IHSマークイットのチーフビジネスエコノミスト、クリス・ウィリアムソン氏は「ユーロ圏は2017年の締めくくりも好調で、通年でも過去10年余りで最高の1年となった。政治の不透明感の増大が経済成長を抑制するとの懸念を引き続き否定する内容だった」と説明した。
同氏によると、2017年のPMIの平均は56.4で、金融危機直前の2006年以来の高水準だった。
今回のデータで示唆されるユーロ圏の第4・四半期の域内総生産(GDP)伸び率は0.8%。他の多くの先進国を上回るペースで、11月末のロイター調査の予想中央値(0.6%)も上回る水準。
PMIの先行指標によると、好調は今後も続く見通し。新規受注指数は11月の57.3から58.0へ上昇し、2007年7月以来の高水準となった。需要の拡大で企業の採用も増え、雇用の伸びは17年ぶり高水準だった11月と並んだ。
ユーロ圏の失業率は2013年前半に12.1%でピークに達し、現在は8.8%へ低下している。
また、12月のユーロ圏のサービス部門PMI改定値は11月の56.2から56.6に上昇し、ここ6年余りでの最高を記録した。
ただ価格上昇圧力は後退し、インフレ率押し上げに苦戦するECBにとっては期待外れの結果となった。
投入物価格の上昇率と、コスト増を顧客に転嫁する産出物価格の上昇率は5カ月ぶりに鈍化した。
とはいえ、それでも価格上昇圧力は過去6年余りで最も高い水準にとどまっている。
ウィリアムソン氏は「過去の経験から言って、多くの製品・サービスにおいて需要が供給を上回っている度合いは、インフレ圧力が今後数カ月間に引き続き増大していく可能性を示唆している」と指摘。「多くの国で比較的高い失業率と余剰資源が今後も賃金の伸びを抑制し、消費者物価上昇率の頭を抑えるかどうかが2018年の大きな問題だ」と述べた。