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第3四半期ユーロ圏GDP速報値、予想上回る前年比+2.5% ECB緩和縮小正当化

2017年10月31日(火)23時11分

10月31日、EU統計局が発表した第3・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は、前期比0.6%、前年比2.5%それぞれ増加し、いずれもロイターがまとめたエコノミスト予想を上回った。写真は2016年1月、ロンドンで(2017年 ロイター/Toby Melville)

[ブリュッセル 31日 ロイター] - 欧州連合(EU)統計局が31日発表した第3・四半期のユーロ圏域内総生産(GDP)速報値は、前期比0.6%、前年比2.5%それぞれ増加し、いずれもロイターがまとめたエコノミスト予想を上回った。

ロイターが集計したエコノミスト予想は前期比0.5%増、前年比2.4%増だった。

9月は失業率が約9年ぶりの水準に低下。10月は物価上昇ペースはやや鈍化したものの、欧州中央銀行(ECB)債券買い入れ規模縮小の決定が裏付けられた格好となった。

モルガン・スタンレーのエコノミスト、ダニエレ・アントヌッチ氏とホアン・アルメイダ氏は、「GDP統計が予想より良好だったことは経済成長がなお堅調であることを示している。ECBはこのほど量的緩和策の調整を決定したが、これを裏付ける結果となった」と述べた。

ECB前週26日の理事会で、月額600億ユーロとしている債券買い入れの規模を来年1月から月額300億ユーロに半減することを決定。ただ緩和策の継続は必要とし、買い入れを来年9月末まで継続することも決定した。

同時に発表された9月の失業率は、2009年1月以来ほぼ9年ぶりの水準に低下し、こちらも市場予想より良かった。失業率は8月の9.0%(改定値)から8.9%に低下した。エコノミスト予想は9.0%だった。

ただ、消費者物価指数(CPI)の上昇率は鈍化した。10月の上昇率は前年比1.4%で、8月と9月の同1.5%から低下した。

9月に前年比3.9%上昇したエネルギー価格が同3.0%の上昇にとどまり、同じく変動の激しい未加工食品の上昇加速を相殺した。

10月の未加工食品価格は2.8%上昇。9月は1.5%の上昇だった。この2つを除くコア指数は前年比1.1%の上昇となり、上昇率は9月の1.3%を下回った。

欧州中央銀行(ECB)は、中期的なインフレ率目標を2%をやや下回る水準に設定している。

モルガン・スタンレーのアナリストは「コアインフレ率は今後一段と正常化するとみられる。一方、総合インフレ率は当面は低調に推移し、その後はV次型の回復を見せ、2018年終盤にかけてECBが掲げる目標に近づくと予想される」としている。

*内容を追加し、写真を付けて送します。

ロイター
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