ニュース速報

ビジネス

NY市場サマリー(23日)

2017年06月24日(土)06時49分

[23日 ロイター] - <為替> ドルが主要通貨バスケットに対し下落、1日としては3週間ぶりの大幅な下げとなった。足元のインフレ指標が弱く、米連邦準備理事会(FRB)が年内追加利上げに踏み切れるか懐疑的な見方が根強い。

主要6通貨に対するドル指数は0.35%低下の97.248。ユーロ/ドルは0.44%高の1.1198ドル。ドル/円は約0.1%安の111.25円。ただ、この日は主要な経済指標もなく、商いは低調だった。

原油先物の持ち直しを背景に、ドルは資源国通貨に対してもおおむね売られた。豪ドルは対米ドルで0.5%高の0.7575米ドル、ニュージーランドドルも0.3%高の0.7288米ドルとなった。

<債券> インフレが低水準にとどまるとの観測から長期債需要が引き続き堅調に推移し、長短金利差が約10年ぶりの低水準近辺で推移した。前週発表の米消費者物価統計が低調だったことに加え原油価格が下落したことで、イールドカーブは今週はフラット化した。

終盤の取引で10年債と30年債の利回り格差は96ベーシスポイント(bp)と、前日に付けた2007年12月以来の低水準となる95bpに近い水準で推移している。10年債利回りはほぼ横ばいの2.15%。

長期債が堅調に推移するなか、連邦準備理事会(FRB)が金融引き締め策を維持するとの観測が政策金利に敏感とされる短中期債の圧迫要因になっている。

<株式> 上昇。金融株が軟調となったものの、ハイテク株に買いが入り、ナスダックは週足で3週間ぶりに上昇した。また、FTSEラッセル指数の年次指数調整を背景に、取引終盤にかけ活況となった。

アップル、フェイスブック、マイクロソフトなどのハイテク大手が主導し、S&Pハイテク株は0.7%高。

一方、S&P金融株は0.47%安。銀行株の下げが圧迫した。米連邦準備理事会(FRB)が前日発表した年次ストレステスト(健全性審査)の第一次審査では対象となった米銀34行すべてが合格したものの、一部の銀行の審査結果が事前予想よりも弱い内容となったことを嫌気した。長短金利差の縮小も材料視された。

<金先物> ドルが対ユーロで下落したことに伴う割安感などを背景に買われ、3日続伸した。中心限月8月物の清算値は前日比7.00ドル(0.56%)高の1オンス=1256.40ドル。

外国為替市場では早朝からユーロに対してドル安が進行。これを受けて、ドル建てで取引される金塊などの商品に割安感が生じた。また、米国内ではロシア政府の米大統領選介入疑惑がトランプ政権の政策運営に影を落としている上、国外では北朝鮮をめぐる地政学的リスクのほか、紆余(うよ)曲折が予想される英国の欧州連合(EU)離脱交渉など、政治的な先行き不透明感がくすぶっており、安全資産とされる金には買いが入りやすかった。

<米原油先物> 週末に伴う持ち高調整の買い戻しが入り、続伸した。米国産標準油種WTIの中心限月8月物の清算値は、前日比0.27ドル(0.63%)高の1バレル=43.01ドル。週間では3.87%安となり、5週連続の下げ。

朝方に売りが膨らみ、相場は一時42ドル台半ばに下落したが、その後は一転して買い戻され、43ドル台を回復した。石油輸出国機構(OPEC)加盟・非加盟の産油国が実施中の協調減産について、監視委員会は前日、5月の順守率が開始以来最高の106%に達したと発表するなか、週末に伴う買い戻しが入りやすかったもよう。ただ、米石油サービス会社ベーカー・ヒューズが午後に発表した国内の石油掘削リグ稼働数は前週比11基増の計758基となり、23週連続のプラスを記録。これをきっかけに再び売り圧力が強まる場面もあり、米国内の供給過剰に対する警戒感は依然根強かった。

(※関連情報やアプリは画面右側にある「関連コンテンツ」メニューからご覧ください)

ロイター
Copyright (C) 2017 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

中国主席「中米はパートナーであるべき」、米国務長官

ビジネス

円安、物価上昇通じて賃金に波及するリスクに警戒感=

ビジネス

ユーロ圏銀行融資、3月も低調 家計向けは10年ぶり

ビジネス

英アングロ、BHPの買収提案拒否 「事業価値を過小
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された米女優、「過激衣装」写真での切り返しに称賛集まる

  • 3

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 4

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP…

  • 5

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 6

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 7

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 8

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 7

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中