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中国外貨準備高、1月末は2.998兆ドル 約6年ぶりに3兆ドル割れ

2月7日、中国人民銀行(中央銀行)が発表した1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。写真は北京で2011年撮影(2017年 ロイター/David Gray)
[北京 7日 ロイター] - 1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、12月末から123億ドル減少し、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。
ロイターがまとめたエコノミスト予想は105億ドルの減少だった。
2016年通年では、外貨準備は3200億ドル近く減少。2015年も5130億ドル減と過去最大の落ち込みを記録しており、資本流出懸念が高まっている。
中国人民銀行が公表したデータによると、1月末時点の金準備は712億9200万ドルと、12月末の678億7800万ドルから増加した。
3兆ドルを割り込んだことで、外貨準備の減少ペースに対する懸念が広がり、当局が今後、どの程度の期間、通貨と外貨準備の両方を支えることができるかについて疑問が生じている。
一部のアナリストは、外貨準備の大幅な減少と、大幅減の継続により、中国が2015年と同様に通貨切り下げを行う可能性を懸念している。切り下げがあれば世界の金融市場に混乱が生じ、米国の新政権との政治的緊張感が高まることもあり得る。
ただ、1月の減少幅は12月の減少幅(410億ドル)と比べて大幅に少なく、7カ月ぶりの低水準となった。資本流出に対する当局の取り組みが、少なくとも現時点では奏功していることが示唆された。
エコノミストらは、今回の外貨準備減少を受けて当局が規制強化を強める可能性があるとみている。
フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リアウ氏は「外貨準備が3兆ドルを下回ったことを受け、資本規制と人民元の流動性の引き締めが続くことが予想される」と述べた。
複数のアナリストは、1月にドルの上昇基調が続いていたら、中国の外貨準備の落ち込みはさらに激しかった可能性があると指摘。ドルの軟化が外貨準備の下支え要因になった。
一部アナリストは、国際通貨基金(IMF)の指針に基づくと、中国の外貨準備の必要水準は最低で2兆6000億─2兆8000億ドルになるとみている。
コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「外貨準備が3兆ドルを割り込んだことは、中国が介入戦略を見直す必要があることを意味している」と指摘。人民元の軟化が続くとの市場の見方が変わる可能性が低ければ、外貨準備を減らし続けることは大きな意味をなさない、との見方を示した。
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