ニュース速報

ビジネス

監視委、きょうにも金融庁にクレディ・スイスの処分勧告

2016年04月15日(金)11時54分

 4月15日、証券取引等監視委員会は、クレディ・スイス証券に対し、金融商品取引法に基づき行政処分を出すよう、きょうにも金融庁に勧告する方針を固めた。写真は都内で2014年8月撮影(2015年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 15日 ロイター] - 証券取引等監視委員会は15日、クレディ・スイス証券が未公表情報を利用して顧客を勧誘した問題で、金融商品取引法に基づき行政処分を出すよう、きょうにも金融庁に勧告する方針を固めた。検査の結果、公表される前の上場会社の重要情報の管理体制に不備があったと判断した。関係筋が15日、明らかにした。

関係筋によると、クレディ・スイス証券のアナリストは上場企業の重要情報を公表前に入手し、同証券の営業員や顧客に提供した。営業員はこの情報をもとに顧客を勧誘したという。担当部署による情報管理体制にも不備が認められたという。

証券監視委の広報担当者は「個別の検査、事案の内容についてはコメントを差し控える」と述べた。

上場企業の未公表情報をめぐっては、昨年12月、ドイツ証券も監視委から管理体制の不備を指摘され、金融庁がドイツ証券に業務改善命令を出している。

金融庁は、上場企業が重要な業績情報を公表前に一部のアナリストに提供し、行政処分に至る例が出たことを問題視している。金融審議会(首相の諮問機関)の作業部会が13日にまとめた報告書では、上場企業が限られた第三者に未公表の情報を提供することを禁ずる「フェア・ディスクロージャー・ルール」の導入について「諸外国における実務も踏まえた詳細な検討を行っていくことが必要」と明記された。

*本文の表現を修正して再送します。

(和田崇彦)

ロイター
Copyright (C) 2016 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

S&P、インド格付け見通し「ポジティブ」に 財政再

ビジネス

中国、固体電池研究に8.3億ドル超投資 6社が支援

ビジネス

訂正-バーゼル3、米次第でEUは一部実施遅らせるべ

ワールド

アングル:中朝の蜜月、「非核化」巡り隙間風 ちらつ
MAGAZINE
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
特集:イラン大統領墜落死の衝撃
2024年6月 4日号(5/28発売)

強硬派・ライシ大統領の突然の死はイスラム神権政治と中東の戦争をこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲームチェンジャーに?

  • 2

    メキシコに巨大な「緑の渦」が出現、その正体は?

  • 3

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 4

    ハイマースに次ぐウクライナ軍の強い味方、長射程で…

  • 5

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 6

    プーチンの天然ガス戦略が裏目で売り先が枯渇! 欧…

  • 7

    汎用AIが特化型モデルを不要に=サム・アルトマン氏…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃…

  • 10

    「天国に一番近い島」で起きた暴動、フランスがニュ…

  • 1

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発」で吹き飛ばされる...ウクライナが動画を公開

  • 2

    自爆ドローンが、ロシア兵に「突撃」する瞬間映像をウクライナが公開...シャベルで応戦するも避けきれず

  • 3

    「なぜ彼と結婚したか分かるでしょ?」...メーガン妃がのろけた「結婚の決め手」とは

  • 4

    ウクライナ悲願のF16がロシアの最新鋭機Su57と対決す…

  • 5

    中国海軍「ドローン専用空母」が革命的すぎる...ゲー…

  • 6

    黒海沿岸、ロシアの大規模製油所から「火柱と黒煙」.…

  • 7

    戦うウクライナという盾がなくなれば第三次大戦は目…

  • 8

    能登群発地震、発生トリガーは大雪? 米MITが解析結…

  • 9

    「天国にいちばん近い島」の暗黒史──なぜニューカレ…

  • 10

    少子化が深刻化しているのは、もしかしてこれも理由?

  • 1

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された──イスラエル人人質

  • 2

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 3

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などできない理由

  • 4

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 5

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 6

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

  • 7

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 8

    ロシアの「亀戦車」、次々と地雷を踏んで「連続爆発…

  • 9

    大阪万博でも「同じ過ち」が繰り返された...「太平洋…

  • 10

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中