ニュース速報

ビジネス

タカタ製エアバッグ異常破裂で女性がけが、リコール対象車=日産

2015年11月02日(月)23時14分

 11月2日、日産自動車は、タカタ製エアバッグ部品の不具合でリコール対象となっていた車両の助手席に乗車していた女性が軽傷を負ったと発表した。写真はタカタのショールーム。6月撮影(2015年 ロイター/Yuya Shino)

[横浜 2日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>は2日、タカタ製<7312.T>の助手席用エアバッグを搭載したリコール(回収・無償修理)対象車両がトラックに衝突した際、助手席に乗っていた女性がけがを負ったと発表した。日産は、状況から判断して「飛び散ったエアバッグ部品が原因で女性はけがをした可能性が高い」という。 車両は今年5月にリコールを届け出たスポーツ用多目的車(SUV)「エクストレイル」(2006年8月30日に生産)。

日産によると、10月28日午後1時ごろに静岡県伊東市の国道135号線で、当該車両がトラックに追突する事故が発生。その際、タカタ製の助手席用エアバッグが異常破裂したとみられ、助手席に乗っていた女性は頭部と左腕にけがをしたという。

日産は今年5月、問題の部品である「インフレ―ター」(エアバッグを膨らませるためのガス発生装置)の気密性に問題があるとして、当該車両を含む助手席用エアバッグ搭載車約32万台のリコールを発表。当該車両の持ち主は8月に販売会社に車両を持ち込んで点検を受けた。その結果、気密性に異常がみられなかったという。このため、優先度が低いとして、所定の対応としてそのまま使用を続けてもらっていた。

日産は今回の事故を踏まえ、気密性に異常がみられなくても交換部品が届くまでエアバッグの作動を停止させる措置を講じる。気密性に異常がないと判断された10万2000台の顧客には再び連絡を取るとともに、まだ持ち込まれていない約20万台の顧客にも早急に部品交換するよう呼びかける。

気密性に異常がみられた場合は、エアバッグが異常破裂に及ぶリスクが高いとして部品をすぐ交換するか、エアバッグの作動停止措置を講じていた。タカタ製エアバッグによるリコール対象台数は世界で4000万台超に膨らんでおり、交換部品の供給が追い付いていない。気密性に異常がない場合に使用を続けてもらっていた背景には交換部品の不足もあるとみられる。

海外については、欧州は日本と同様の措置を講じているため、日産は「今後、しかるべき策を打っていく」としている。米国では米当局からの指示で全て交換する対応をしている。

タカタの広報担当者は日産から連絡を受けた。けがの原因が弊社の部品によるものかどうかを確認中」としている。

*内容を追加して再送します。

(白木真紀 編集:石田仁志)

ロイター
Copyright (C) 2015 トムソンロイター・ジャパン(株) 記事の無断転用を禁じます。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米新規失業保険申請、20万8000件と横ばい 4月

ビジネス

米貿易赤字、3月は0.1%減の694億ドル 輸出入

ワールド

ウクライナ戦争すぐに終結の公算小さい=米国家情報長

ワールド

ロシア、北朝鮮に石油精製品を輸出 制裁違反の規模か
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    常圧で、種結晶を使わず、短時間で作りだせる...韓国の研究チームが開発した「第3のダイヤモンド合成法」の意義とは?

  • 2

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロシア空軍基地の被害規模

  • 3

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 4

    「500万ドルの最新鋭レーダー」を爆破...劇的瞬間を…

  • 5

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 6

    ロシア軍の拠点に、ウクライナ軍FPVドローンが突入..…

  • 7

    「複雑で自由で多様」...日本アニメがこれからも世界…

  • 8

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 9

    中国のコモディティ爆買い続く、 最終兵器「人民元切…

  • 10

    「みっともない!」 中東を訪問したプーチンとドイツ…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドローンを「空対空ミサイルで撃墜」の瞬間映像が拡散

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    AIパイロットvs人間パイロット...F-16戦闘機で行われ…

  • 5

    どの顔が好き? 「パートナーに求める性格」が分かる…

  • 6

    日本マンガ、なぜか北米で爆売れ中...背景に「コロナ…

  • 7

    「2枚の衛星画像」が伝える、ドローン攻撃を受けたロ…

  • 8

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 9

    ウクライナ軍ブラッドレー歩兵戦闘車の強力な射撃を…

  • 10

    ロシアの大規模ウクライナ空爆にNATO軍戦闘機が一斉…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 5

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 6

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 10

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中