コラム

トランプを支配する「サムライ・ニッポン」的価値観を理解せよ

2026年01月23日(金)19時21分
トランプ

イラン反体制派はトランプに期待するが(スペイン) LUIS SOTOーSOPA IMAGESーREUTERS

<トランプの外交は常に恫喝と曖昧さと矛盾に満ちている。誇りと名誉にのみ重きを置く「マフィアのボス」的リーダーシップは、往々にしてトランプの「空白」を利用して自分の政策を実現しようとする部下を引き付ける>

アメリカの力により、腐敗した現体制を倒してほしい──イランで拡大している反政府デモの参加者たちは、トランプ米大統領が行動を起こすことを切望している。

しかし、イランに関するトランプの発言は、(毎度の話ではあるが)恫喝と曖昧さと矛盾に満ちている。当初、米軍は「準備万端」で、「もうすぐ助けが向かう」とデモ隊に請け合っていた。しかし程なく、トーンダウン。「(イラン政府がデモ参加者を処刑すれば)極めて強い措置を取るが、差し当たり処刑は停止されていると聞いている」と、最近述べた。


イランに限った話ではない。トランプ政権は1月初めにベネズエラで軍事作戦を実行し、マドゥロ大統領を拘束してアメリカに移送した。その際、トランプはアメリカがベネズエラを「運営」すると述べたが、実際にはマドゥロ政権の幹部たちが政権にとどまっている。そもそもトランプは、いわゆる「ドンロー主義」を打ち出し、南北アメリカ大陸以外の地域に介入することを拒否する姿勢を示していた。

トランプの発言と政策は矛盾していたり、一貫性を欠いていたりするように見える。トランプの外交政策は孤立主義的とは言い切れず、そうかといって帝国主義的とも言い切れない。「国際秩序」に関するいかなる概念にも当てはまらないように思える。

プロフィール

グレン・カール

GLENN CARLE 元CIA諜報員。約20年間にわたり世界各地での諜報・工作活動に関わり、後に米国家情報会議情報分析次官として米政府のテロ分析責任者を務めた

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

世界秩序は変化「断絶ではない」、ECB総裁が加首相

ビジネス

シティ、3月も人員削減へ 1月の1000人削減後=

ビジネス

ユーロ圏総合PMI、1月速報値51.5で横ばい 価

ビジネス

グリーン英中銀委員、インフレ圧力や賃金上昇指標を依
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 2
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレアアース規制で資金が流れ込む3社とは?
  • 3
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡張に新たな対抗手段
  • 4
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 5
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 6
    ラブロフ、グリーンランドは‌デンマーク​の「自然な…
  • 7
    老化の9割は自分で防げる...糖質と結び付く老化物質…
  • 8
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 9
    40代からは「積立の考え方」を変えるべき理由──資産…
  • 10
    コンビニで働く外国人は「超優秀」...他国と比べて優…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 4
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 5
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 6
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 7
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story