最新記事
韓国

韓国の石油危機「守るべきものを守れなかった」── 緊急備蓄90万バレルがベトナムへ流出した真相とは

2026年4月14日(火)21時35分
佐々木和義

ソウル市内のガソリンスタンド

ソウル市内のガソリンスタンド(撮影=筆者)

ソウルのガソリンは2000ウォン超え

韓国は石油の7割を中東に依存しており、9割以上がホルムズ海峡を経由する。封鎖前にホルムズ海峡を通過した最後のタンカーが3月20日に入港以後、同海峡を通る原油の供給は完全に止まって石油価格が高騰、一部の石油製品は生産が滞っている。
レギュラーガソリン1リットルの平均価格は3月4日の1834.28ウォン(約198円)から4月7日には1964.7ウォン(約211円)へと上昇、ソウルは2000ウォン(約214円)を超えている。全国平均も近日中に2000ウォンを突破するとみられている。

産業通商資源部は4月9日、「石油最高価格制」を改定し第3次上限価格を発表した。同部は3月13日、石油元売り各社のガソリンスタンドに対する卸価格の規制を開始、同27日の改定に続く2度目の改定だ。政府は元売り各社の損失補償分として4兆2000億ウォンを計上する一方、違反には厳正に対処する方針を示している。

公共機関は自動車利用を1日おきに規制

さらにガソリンの消費抑制策として資源安全保障危機警報を「注意」から「警戒」に引き上げ、公共機関の車両に対するナンバー規制を従来の「5部制」から「2部制」に強化した。5部制は月曜日にはナンバー末尾が1と6の車両は利用できないなど曜日ごとに特定末尾番号の車両運行を制限するもので、「2部制」は奇数日にはナンバー末尾が奇数の車、偶数日は末尾が偶数の車のみ走行を認める規制である。

規制対象は公共機関の車両だが、民間にも5部制への参加を要請、全国3万カ所の公営駐車場でも5部制を実施する。気候エネルギー環境部は規制によって石油消費量が37.5%減少すると試算するが、実質的な効果は限定的との指摘もある。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

NY外為市場=ドル下落、米イラン交渉再開巡り期待感

ワールド

イスラエルとレバノン、ヒズボラ巡り直接協議 米国務

ビジネス

米、4月20日に関税払い戻し開始 違憲判決受けた1

ワールド

ウォーシュ次期FRB議長候補、21日に上院銀行委で
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍の海上封鎖に中国が抗議、中国タンカーとの衝突リスク高まる
  • 2
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 3
    高さ330メートルの絶景と恐怖 「世界一高い屋外エレベーター」とは
  • 4
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ…
  • 5
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 6
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 7
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相…
  • 8
    トランプを批判する「アメリカ出身のローマ教皇」レ…
  • 9
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 10
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで代用した少女たちから10年、アジア初の普遍的支援へ
  • 4
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 5
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 6
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 9
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 10
    健康を守るはずのサプリが癌細胞を助ける? 思いがけ…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中