イラン戦争は「ハルマゲドンの前兆」か? トランプとネタニヤフを突き動かす「宗教勢力」の正体

2026年4月3日(金)17時50分
アルモーメン・アブドーラ(東海大学国際学部教授)

トランプ再選は「神から与えられた委任」

多くの福音派信者にとって、トランプ再選は単なる「民意の付託」にとどまらず、「神から与えられた委任」でもあった。ジョージア州のある都市の「第一バプテスト教会」に通うアンジェラ・ペインらは、トランプの返り咲きを「神の意思の具現化」だと受け止めている。多くのキリスト教徒が長年語ってきた、トランプが再び戻り、キリスト教を守り、キリストの敵と戦い、終末の神の計画の中で「神の兵士」となるという預言が現実になると確信しているのだ。


2024年7月に起きたトランプ暗殺未遂事件は、トランプを支持者たちの目に「神の戦士」として刻み込む決定的な転機となった。トランプは2期目の就任式で、「自分は神に救われた男であり、アメリカを再び偉大にするために残された存在だ」と自ら語った。

著名な福音派インフルエンサーのラルフ・リードは、「2度の暗殺未遂からの生還には神の摂理を見ずにはいられない」と述べた。トランプ自身も、「神の存在に疑いを持つ者がいるなら、あの暗殺未遂こそ神の存在が証明された出来事だ」と語っている。中には、銃撃が起きた時刻である午後6時11分を、新約聖書『エフェソの信徒への手紙』6章11節の「神の武具を身にまとえ」という一節と結びつけて解釈する支持者まで現れた。

要するに、トランプ支持層の大きな一角は、終末の徴に並々ならぬ関心を寄せており、イスラエル支援に積極的なトランプの行動を「キリスト再臨への準備」として高く評価している。

彼らにとってトランプは、普通の政治指導者ではない。神の御心を実行に移す器なのであり、この種の宗教的な結びつきが、トランプの政策判断を左右する主な要因の一つとなっている。トランプ自身もまた、「旧約の王たち」に似た「神の戦士」として支持者の期待に応えようとする。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

米戦闘機、イラン上空で撃墜 乗員1人救助との報道

ワールド

ロシア・トルコ首脳が電話会談、中東情勢について協議

ビジネス

米3月雇用者数17.8万人増、過去15カ月で最多 

ワールド

トランプ氏、ホルムズ海峡「時間あれば開放できる」 
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
特集:日本企業に迫る サステナビリティ新基準
2026年4月 7日号(3/31発売)

国際基準の情報開示や多様な認証制度──本当の「持続可能性」が問われる時代へ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】「三菱商事」の株価に高まる期待...ホルムズ海峡封鎖と資源価格高騰が業績を押し上げ
  • 2
    イラン戦争の現実...アメリカとイスラエル、見え始めた限界
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅…
  • 5
    「考えの浅い親」が子どもに言ってしまっている口ぐ…
  • 6
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 7
    中国は「アカデミズムの支配」を狙っている? 学術誌…
  • 8
    血圧やコレステロール値より重要?死亡リスクを予測…
  • 9
    『ナイト・エージェント』主演ガブリエル・バッソが…
  • 10
    満を持して行われたトランプの演説は「期待外れ」...…
  • 1
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 2
    「水に流す」日本と「記憶する」韓国...気候と地理が育んだ「国民意識の違い」とは?
  • 3
    攻撃開始日も知っていた?──イラン戦争を巡る巨額取引、インサイダー疑惑が市場に波紋
  • 4
    記憶を定着させるのに年齢は関係ない...記憶の定着度…
  • 5
    なぜイスラエルは対イラン戦争を支持するのか...「イ…
  • 6
    ロシア経済を支える重要な港、ウクライナのものと思…
  • 7
    オランウータンに「15分間ロックオン」された女性のS…
  • 8
    映画『8番出口』はアメリカでどう受け止められた?..…
  • 9
    ヘンリー・メーガン夫妻の豪州訪問に3万6000人超の反…
  • 10
    年金は何歳からもらうのが得? 男女で違う「最適な受…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 7
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 10
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中