日本の男女の賃金格差は世界でも突出して大きい
両性の年収階層分布が全体としてどれほどズレているかは、表の右欄の累積相対度数をグラフにすることで可視化される。横軸に女性、縦軸に男性の累積相対度数をとったマトリクス上に、6つの年収階層(G1~G6)のドットを配置して、線でつないだグラフにすると以下の<図1>のようになる。

図の青色の曲線をローレンツ曲線という。この曲線の底が深いほど、横軸と縦軸、すなわち女性と男性の年収分布のズレ(格差)が大きいことを意味する。
対角線と曲線で囲まれた部分の面積(緑色)を2倍した値がジニ係数で、年収分布の男女差が全くない場合、6つのドットは対角線上に並ぶので、ジニ係数は0.0となる。反対に極限の不平等状態の場合、色付きの面積は正方形の半分(0.5)となり、ジニ係数はこれを2倍して1.0となる。ジニ係数が0.0~1.0の範囲になるのは、こういうことだ。
<図1>の緑色の面積を計算すると0.198なので、ジニ係数はこれを2倍して0.397となる。一般にジニ係数が0.4を超えると、分布のズレが常軌を逸して大きいと判断される。男女の年収分布のズレを表すジニ係数はこの危険水準に迫っており、賃金の男女格差が(不当に)大きい国ということになる。

<図2>は、同じやり方で国ごとに計算したジニ係数を高い順に並べたものだ。日本の男女格差ジニ係数は、データが得られる24カ国の中で最も高くなっている。よく話題になる韓国よりも大きい。2位の韓国との差も開いていて、「突き抜けている」と言ってもいい。日本の賃金の男女格差は、国際的に見て大きいと考えていいだろう。
賃金の男女格差は、「男は仕事、女は家庭」といったジェンダー慣行の引き写しだ。日本はそれが強い国で、女性は結婚・出産を経ると稼げなくなる。フルタイム就業を続けるにしても、時短を強いられたり、役職への昇進が阻まれたりすることがしばしばだ。年収の男女格差ジニ係数が首位になるのも頷ける。
その結果、女性は結婚相手の男性に高い年収を期待せざるを得ないが、昨今ではそういう男性は滅多にいないので、未婚化が歯止めなく進行する。
韓国はこういう状況に危機感を持ち、賃金の男女格差の是正に取り組もうとしている。日本でもこの4月から、従業員101人以上の事業所には、賃金の男女格差の情報を公開することが義務付けられる(女性活躍推進法)。社会の維持存続にかかわる問題として、こういう取り組みに実効性を持たせていかなければならない。





