最新記事
ウクライナ戦争

全身やけど、失明、片足を失っても...ウクライナ負傷兵たちが失わなかった「人間らしさ」

Dauntless Soldiers

2026年3月19日(木)19時17分
横田 徹 (戦場ジャーナリスト・カメラマン)

かつて心理学を学んだイゴールは、傷痍軍人向けの支援をしているリハビリ施設「TYTANOVI(タイタノヴィ)」で心理カウンセラーとしての職を得た。キーウ市内にある施設のフィットネスジムで、専属トレーナーと共にリハビリを続けている。

近接するアートセンターにはギターやドラム、DJミキサーがあり、気軽に音楽を楽しめるほか、絵画やアロマセラピーの講座も受講できる。戦争の長期化で負傷し、障害を負う兵士が激増していることもあり、ウクライナの各都市にはこのようなリハビリ施設が増えている。


イゴールは心理学の知識を生かし、戦争で心に傷を負った、いわゆるPTSD(心的外傷後ストレス障害)に悩む兵士向けにカウンセリングに当たっている。

「あなた自身も障害に苦しんでいるのに、なぜカウンセラーに?」と聞くと、「困った人を助けたいからですよ!」と、優しい表情で答えた。その言葉が私の胸に突き刺さる。

ウクライナ戦争は5年目に入った。今年2月の時点でウクライナ軍の戦死者・負傷者は50万人を超え、その数はさらに増加が見込まれる。

今回の取材で出会ったウクライナ兵士の多くは、今年も戦争は続くだろうと語っていた。戦場ではドローンやAI(人工知能)技術が発達している。しかし戦場で重傷を負い、障害を抱えた兵士たちのリハビリや精神的なケアは、最終的には人間にしか担えない。

【関連記事】
ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
「会うのはこれが最後か...」ウクライナ戦争の最前線、クラマトルスク駅で待ち受ける「束の間の再会と別れ」
チャールズ国王、ゼレンスキー大統領と面会――問われる「王室外交」の役割

ニューズウィーク日本版 イラン革命防衛隊
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2026年3月24号(3月17日発売)は「イラン革命防衛隊」特集。イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

再送-英中銀、全会一致で金利据え置き 紛争によるイ

ビジネス

米国株式市場=続落、27年まで利下げなしの見方広が

ワールド

イスラエル、カスピ海のイラン海軍「無力化」 18日

ワールド

EXCLUSIVE-米国民の6割超、トランプ氏がイ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:イラン革命防衛隊
特集:イラン革命防衛隊
2026年3月24日号(3/17発売)

イスラム神権国家を裏からコントロールする謎の軍隊の歴史と知られざる実力

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え時の装いが話題――「ファッション外交」に注目
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    韓国製ミサイル天弓-II、イラン戦争で96%迎撃の衝撃 ──「成功」が招く自国防衛の弱体化
  • 4
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 5
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 6
    原油高騰よりも米国経済・米株市場の行方を左右する…
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する…
  • 9
    トランプ暴走の余波で加熱するW杯「ボイコット論」..…
  • 10
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期スペイン女王は空軍で訓練中、問われる「軍を知る君主」
  • 3
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が発生し既に死者も、感染源は「ナイトクラブ」
  • 4
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 5
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 6
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
  • 7
    【衛星画像】イラン情勢緊迫、米強襲揚陸艦「トリポ…
  • 8
    ズボンを穿き忘れてる! 米セレブ、下を穿かず「目の…
  • 9
    住宅建設予定地に眠っていた「大量の埋蔵金」...現在…
  • 10
    「ネタニヤフの指が6本」はなぜ死亡説につながったの…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 5
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 6
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 7
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 8
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 9
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 10
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中