最新記事
人民解放軍

習近平による軍部粛清は「自傷行為」...最高幹部解任で揺らぐ指揮系統、人民解放軍は弱体化した?

2026年2月26日(木)15時50分
ディディ・キルステン・タトロウ(本誌米国版・国際問題担当)



粛清で空いた穴が今も埋まっていない

報告書は2025年時点の人民解放軍の状況を評価したものだ。したがって、中国の最高位の将軍である張又侠(チャン・ヨウシア)と劉振立(リュウ・チェンリー)が、腐敗や政治的不忠誠の容疑で中央軍事委員会を解任されたという1月の粛清劇は、評価の対象に含まれていない。


軍事アナリストらは、習が中央軍事委員会の欠員となっている将軍たちをどのように補充するのか注視している。しかし、未だ人事は発表されていない。

シンガポール南洋理工大学S.ラジャラトナム国際学院(RSIS)のリサーチフェローであるズー・ヤンは、ワシントンD.C.に拠点を置く研究機関ジャムズタウン財団のオンライン誌『チャイナ・ブリーフ』において、一連の粛清を「人民解放軍上層部における自傷行為」と形容したうえで、「エリート将校による集団的な判断を一人の判断に置き換える形となり、その結果、指導部の意思決定能力が損なわれた」と評価した。

ヤンはこの状況を「いかなる現代軍にとっても異常である」としつつも、その状態は2026年も続く可能性があると予測した。

「習が中央軍事委員会の再編に着手する際には、脅威とならない政治的に忠実な将校を昇格させる可能性が高い」

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナの港にドローン攻撃、パナマ籍の民間船に被

ビジネス

日産が長期計画を発表、車種を約2割削減へ 米中販売

ビジネス

百貨店3社、訪日外国人の売上高減少傾向続く見通し 

ビジネス

再送高島屋、今期の純利益380億円予想 訪日外国人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:台湾有事の新シナリオ
特集:台湾有事の新シナリオ
2026年4月21日号(4/14発売)

地域紛争の「大前提」を変えた米・イラン戦争が台湾侵攻の展開に及ぼす影響をシミュレーション

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本は「イノベーションのやり方」を忘れた...ホンダ「EV撤退」が示す、日本が失った力の正体
  • 2
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国防軍は崩壊寸前」
  • 3
    【銘柄】イラン情勢で「任天堂」が急落 不確実な相場で人気の優良株から売られる落とし穴
  • 4
    「いい加減にして...」ケンダル・ジェンナーの「目の…
  • 5
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 6
    トランプがまた暴走?「イラン海上封鎖」の勝算
  • 7
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 8
    「仕事ができる人」になる、ただ1つの条件...「頑張…
  • 9
    高さ330メートルの絶景と恐怖 「世界一高い屋外エレ…
  • 10
    目のやり場に困る...元アイスホッケー女性選手の「密…
  • 1
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文章」...歴史を塗り替えかねない、その内容とは?
  • 2
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収される...潜水艦の重要ルートで一体何をしていた?
  • 3
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 4
    韓国、生理用品無償支給を7月から開始 靴の中敷きで…
  • 5
    「南東部と東部の前線で480平方キロ奪還」とウクライ…
  • 6
    停戦合意後もレバノン猛攻を続けるイスラエル、「国…
  • 7
    「地獄を見る」のは米国か──イラン地上侵攻なら革命…
  • 8
    撃墜された米国機から財布やID回収か、イラン側が拡…
  • 9
    ポケモンで遊ぶと脳に「専用の領域」ができる? ポ…
  • 10
    中国がイラン戦争一時停戦の裏で大笑い...一時停戦に…
  • 1
    温暖化で増えた? サンマやサケ減少の裏で激増する「安価で栄養価の高い魚」の正体
  • 2
    米特殊部隊、米空軍兵士救出「大成功」に残る多くの疑問
  • 3
    「根底にあるのは怒り」...日本の「3Dプリンター住宅」企業が救う、ウクライナの未来
  • 4
    古代のパピルスから新たに見つかった「2500年前の文…
  • 5
    「ノーと言えるスペイン」の背景に国防意識...次期ス…
  • 6
    バリ島沖の要衝で「中国製水中ドローン」が回収され…
  • 7
    キャサリン皇太子妃、ナイジェリア大統領夫妻出迎え…
  • 8
    数時間以内に死に至ることも...若者の間で集団感染が…
  • 9
    メーガン妃、娘リリベット王女との「お手伝い姿」公…
  • 10
    第6回大会を終えて曲がり角に来たWBC
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中