最新記事
アメリカ

トランプがイランを攻撃する日

Is Trump About to Go to War With Iran?

2026年2月27日(金)11時00分
フレッド・カプラン (スレート誌コラムニスト)
REUTERS

REUTERS

<イラン周辺で米軍の大規模展開を進めているのは、核開発を阻止するための圧力か、イスラエルへの配慮か>


▼目次
軍事的脅威は限定的
後継者は革命防衛隊?

言葉と現実が倒錯した「オーウェル的」という表現は安易な決まり文句とされがちだが、ドナルド・トランプ米大統領が2月19日に見せた2つの行動には、この言葉が的確だった。この日、トランプはパレスチナ自治区ガザの暫定的な統治を監督する「平和評議会」の初会合を開催。一方で、イラン周辺に大規模な兵力を集結させ、数日以内に攻撃の準備が整うと示唆した。

トランプはアメリカが平和評議会に100億ドルを拠出すると述べたが、この組織の実態は政治的演出の色彩が濃い。自分の手で終わらせたと主張するガザ戦争は依然として収束しておらず、平和評議会を国連に代わる存在にするという構想にも現実味はない。

一方、イランに対しては2003年のイラク侵攻以降で最大規模の米軍を中東に展開。空母2隻を含む大艦隊に加え、近隣の基地に多数の戦闘機や対ミサイルシステム、電子妨害装置も配備されているが、その狙いは不明瞭だ。

トランプはイランの核開発計画を破壊したいのか、弾道ミサイル施設を解体したいのか、現体制を打倒したいのか。それとも、この3つをちらつかせて、イランに「ディール」を迫りたいのか。

トランプは1月、イラン政府が反政府デモ参加者を処刑すれば「強力」な軍事行動に出ると警告した。イラン当局が処刑を取りやめると、自らの要求が満たされたと表明。その後もデモ隊への攻撃は続き、少なくとも数千人が死亡したが、米政府は異議を唱えなかった。ベネズエラの場合と同様、トランプは戦争の口実に民主主義や人権を持ち出すが、実際の政策でそれらを考慮するわけではない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

イランのミサイル巡るトランプ氏発言、米情報機関の裏

ビジネス

いすゞ、山口専務が社長に昇格へ 南社長は副会長に

ビジネス

ネトフリ、ワーナー買収断念 パラマウント勝利の公算

ワールド

パキスタン国防相、アフガンとの戦争宣言 「忍耐の限
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
特集:日本人が知らない AI金融の最前線
2026年3月 3日号(2/25発売)

フィンテックの進化と普及で、金融はもっと高速に、もっとカジュアルに

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからくりとリスク
  • 2
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの謎判定に「怒りの鉄拳」、木俣椋真の1980には「ぼやき」も
  • 3
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルーの大スキャンダルを招いた「女王の寵愛」とは
  • 4
    戦術は進化しても戦局が動かない地獄──ロシア・ウク…
  • 5
    住宅の4~5割が空き家になる地域も......今後30年で…
  • 6
    中国で今まで発見されたことがないような恐竜の化石…
  • 7
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 8
    「まるで別人...」ジョニー・デップの激変ぶりにネッ…
  • 9
    【和平後こそリスク】ウクライナで米露が狙う停戦「…
  • 10
    「IKEAも動いた...」ネグレクトされた子猿パンチと「…
  • 1
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医師がすすめる意外な健康習慣
  • 2
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く高齢期の「4つの覚悟」
  • 3
    「水道水」が筋トレの成果を左右する...私たちの体には濾過・吸収する力が備わっている
  • 4
    村瀬心椛は「トップでなければおかしい」...スノボの…
  • 5
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 6
    少女買春に加え、国家機密の横流しまで...アンドルー…
  • 7
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 8
    「#ジェームズ・ボンドを忘れろ」――MI6初の女性長官…
  • 9
    カビが植物に感染するメカニズムに新発見、硬い表面…
  • 10
    海外(特に日本)移住したい中国人が増えている理由.…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を空中爆破...地上から撮影の「レア映像」を公開
  • 3
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 4
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 5
    「最恐」恐竜T・レックスの定説を覆す新研究が
  • 6
    イースター島の先住民から資源を略奪、島を「生きた…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    中国、パナマ運河の港湾喪失でパナマに報復──トラン…
  • 9
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中