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ウクライナ戦争が180度変えた「軍事戦略」の在り方...勝利のカギは「精密大量攻撃」に

THE DRONE REVOLUTION

2026年2月17日(火)18時24分
フランツシュテファン・ガディ (英国際戦略研究所上級研究員)

世界初のドローン専門軍である「無人システム部隊」を設置すると、それまで多数の独立系企業が多種多様なドローンを使って、それぞれ展開していたドローンの運用を統一。偵察と攻撃の両面でドローンを急速に増やして、数キロに及ぶ多層防衛システムを構築した。

無人システム部隊はその後、大隊から連隊、そして最近では旅団に再編された。


これによりウクライナはドローンの質と量の両方で優位に立ち、ロシア軍に大打撃を与えるようになった。24年だけでウクライナのドローン供給は19倍に膨らみ、11月までにロシアの前線での死者数の約80%はドローン攻撃によるものになった。

広がる有線ドローンの活用

だが、ロシアも素早く適応した。24年8月にアンドレイ・ベロウソフ国防相の指示で先端無人技術センター、通称「ルビコン」が設置され、ウクライナの優位を1つずつ着実につぶし始めた。ウクライナのドローンを撃墜し、地上のドローン操作チームを攻撃し、補給線を寸断した。

ロシアは、無線ではなく極細の光ファイバーケーブルで制御するドローンも導入した。有線である分、重くてスピードは遅いが、ジャミングの影響を受けないし、電波の入りにくい地形でも制御できる。

これに対してウクライナは25年春以降、ロシアとの前線から10〜15キロのエリアを「致死ゾーン」にする「ドローンライン」イニシアチブを展開してきた。

だが、それ以外にも、光ファイバードローンをもっと増やし、軍を再編してドローン戦のスケールを拡大し、前線全体で足並みのそろったドローン迎撃体制を確立する必要がある。

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