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【福音派】「ノンズ」と白人キリスト教ナショナリズムが広がるアメリカ社会

2026年2月9日(月)15時00分
印南敦史 (作家、書評家)

独立前、建国以降、冷戦期も著しい世俗化は見られず

無神論者、懐疑論者など明確にキリスト教徒ではない立場を示す人々、そして、いずれの教会や宗派にも属さないという消極的な意味合いからこの立場を選ぶ人も含まれるようだ。

ご存じのようにアメリカでは、植民地時代からキリスト教の活動が精力的だった。独立戦争前にも、「偉大なリバイバル」と呼ばれる大覚醒運動が起きている。そして建国以降も南北を問わず、キリスト教の各種宗派が熱心に宣教活動を行った。

その結果、20世紀までには人口の10割近くがキリスト教徒という合衆国が出来上がったわけである。

この傾向は二度の大戦、あるいは伝統的な信仰を否定する神学的なモダニズムの台頭によっても揺らぐことはなかった。

特に冷戦中には、共産主義に対抗した伝道師のビリー・グラハムらによる宗教復興運動の盛り上がりもあって、少なくとも米国においては一部の高等教育機関や主流メディアを除けば、著しい世俗化は見られなかった。

本書に詳しい説明があるが、それは、私のような「キリスト教に詳しくない人」の視野にも映っていた光景だ。


 しかし、冷戦体制の終焉に合わせるように、状況は変化していく。七二年の時点で五%に過ぎなかった「非宗教者」の割合は、九三年には九%、さらに九六年には一二%と倍以上に増加。二〇〇〇年代にかけてこの傾向が収まることはなく、現在では三〇%近くにもなった。(260ページより)

近年はこうした増加傾向も落ち着いてはきたようで、(数字が調査会社によって異なるとはいえ)21〜37%のアメリカ人が自らを非宗教とみなすのが現代のアメリカ社会だという。

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