タイ総選挙、与党「タイの誇り党」が勝利...ナショナリズムが追い風、政治は安定する?
2月8日、タイ・バンコクの投票所で撮影。REUTERS/Maxim Shemetov
タイで8日投開票が行われた下院総選挙で、アヌティン首相が率いる与党「タイの誇り党」が勝利して第1党となり、長く続いてきた政治の不安定化局面が解消されるとの期待が高まっている。
アヌティン氏は、タイとカンボジアの国境紛争が再燃した2025年12月半ばに総選挙の実施を表明し、国民の間に広がったナショナリズムを追い風に選挙戦を展開。そうした戦略が奏功し、解散前から議席数を大幅に伸ばした。
開票率95%弱の段階でタイの誇り党は定数500のうち192議席前後を獲得。改革派野党「国民党」の117議席、タクシン元首相派の「タイ貢献党」の74議席を上回った。
アヌティン氏は「タイの誇り党に投票した人、そうでない人がいたが、わが党の勝利は全国民の勝利だ。われわれは国民への奉仕に全力を注がなければならない」と語った。
専門家の1人は、タイの誇り党の議席は単独過半数に達しないとしても、選挙戦で約束した消費者支援策やカンボジアとの「海洋に関する覚書」の破棄といった政策を実行できる政治的に強固な足場を得たと指摘。本当に久しぶりに実効性のある統治能力を持つ政府が生まれそうだと述べた。
別の専門家は、タイの誇り党の獲得議席数は想定以上で、国内のナショナリズムがより強まる中で、同党が保守層有権者の全面的な取り込みに成功したことを物語っていると分析した。
選挙戦のかなりの期間は、構造改革と改革をメッセージとして掲げた国民党がほとんどの世論調査で首位を走っていた。しかし最終週の調査で国立行政開発研究院は、国民党が125-135議席、タイの誇り党が140-150議席と予測していた。
今回の選挙で有権者は、17年に軍部の支援で制定された現行憲法を新憲法で置き換えるかどうかも問われ、新憲法制定の手続きを進めることに圧倒的な支持が集まった。批判派は現行憲法が、間接選挙で選出され国民の参加が限られる強力な上院を含む非民主的な機関に権力を集中させている、と指摘している。
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