最新記事
人口減少

データが示す、中国の「絶望的な」人口動態...現実味を帯びる「超高齢化」による「中国社会崩壊」

China Blocks Population Debate Online

2026年1月22日(木)18時50分
マイカ・マッカートニー

中国政府の奨励策は「的外れ」?

本誌は、微博(ウェイボー)などの中国のSNSでは、発表された人口データについての投稿は許されているものの、出生率急減に関する検索はブロックされていることを確認した。

たとえば、「出生数800万割れ」というハッシュタグを検索すると、「申し訳ありませんが、このトピックの内容は表示されません」というメッセージが表示される。


中国国家統計局によると、2025年の出生数は前年比17%減の792万人の出生を記録した。辰年の縁起の良さや厳格なコロナ関連規制の撤廃による中国社会の正常化によって、2024年に出生率は一時的に回復したものの、2025年には早くも元の木阿弥となった。

一方、2025年の死亡者数は1131万人となり、4年連続で出生数を死亡数が上回った。ここ4年を除き、死亡数が出生数を上回ったのは、中国全土が大飢饉に見舞われた1960年(出生数1381万人、死亡数1684万人)以降なかった。

中国では現在、65歳以上人口が全人口のほぼ16%を占めており、国連が定義する「超高齢社会」(65歳以上が人口の20%以上)への仲間入り一歩手前の状態だ。ちなみに、日本、韓国、台湾はすでに「超高齢社会」に突入している。

中国政府は2025年、さまざまな出生奨励策を導入したが、それが中国の夫婦の子どもに対する意識をどれほど変えるのかは未だ不透明だ。

アジア・ソサエティ政策研究所中国分析センターに所属する非常勤フェロー、エマ・ザンは2025年9月、中国政府の出生奨励策について「出産ボーナス、産休の延長、『家庭への回帰』を女性に呼びかけるキャンペーン...出生率向上を目指す一連の措置は、伝統的な性別役割を強化し、育児の負担を女性に押しつける一方、男性や育児の分担に対する支援はほとんど提供していない。男性は経済的なプレッシャーをより強く受けるが、支援制度はほぼ皆無だ。文化的、心理的な不満の根本に目を背けたこれらの施策は夫婦の不満をむしろ悪化させ、子育てがさらに現実味を失う危険がある」と評している。

国連は、このペースで人口減少が続けば、現在14億人を数える人口が、2050年頃までには約1億4000万人減少すると見積もる。さらに、2100年までには、現在の約半分となる7億6000万人にまで減る可能性があるとも予測している。

【関連記事】
結婚しても年40日しか会えない...中国の若者が人民解放軍を「就職先」に選ばない理由
中国の対日レアアース規制はいつまで続く?

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

中国、トランプ氏の風力発電批判に反論 グリーン化推

ビジネス

英ビーズリー、チューリッヒ保険の買収提案拒否 「著

ワールド

NATO、北極圏の防衛強化へ トランプ氏との合意受

ビジネス

英公的部門借入額、12月は予想下回る リーブス財務
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:「外国人問題」徹底研究
特集:「外国人問題」徹底研究
2026年1月27日号(1/20発売)

日本の「外国人問題」は事実か錯誤か? 7つの争点を国際比較で大激論

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている「とてつもなく巨大な」生物...その正体は?
  • 2
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コングスベルグ社のNSMにも似ているが...
  • 3
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」の写真がSNSで話題に、見分け方「ABCDEルール」とは?
  • 4
    韓国が「モンスター」ミサイルを実戦配備 北朝鮮の…
  • 5
    【銘柄】「古河機械金属」の株価が上昇中...中国のレ…
  • 6
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の…
  • 7
    飛行機よりラク? ソウル〜釜山「110分」へ――韓国が…
  • 8
    【総選挙予測:自民は圧勝せず】立憲・公明連合は投…
  • 9
    「怖すぎる...」モルディブで凶暴な魚の群れに「襲撃…
  • 10
    ノーベル賞に選ばれなかったからグリーンランドを奪…
  • 1
    上野公園「トイレ騒動」に見る、日本のトイレが「世界一危険」な理由
  • 2
    ピラミッドよりも昔なのに...湖底で見つかった古代の船が明かす、古代の人々の「超技術」
  • 3
    世界初で日本独自、南鳥島沖で始まるレアアース泥試掘の重要性 日本発の希少資源採取技術は他にも
  • 4
    【クイズ】韓国を抜いて1位に...世界で最も「出生率…
  • 5
    韓国『日本人無料』の光と影 ── 日韓首脳が「未来志向…
  • 6
    正気を失った?──トランプ、エプスタイン疑惑につい…
  • 7
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 8
    完全に「ホクロ」かと...医師も見逃した「皮膚がん」…
  • 9
    ニュージーランドの深海に棲む、300年以上生きている…
  • 10
    世界最大の埋蔵量でも「儲からない」? 米石油大手が…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した─…
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    「腸が弱ると全身が乱れる」...消化器専門医がすすめ…
  • 8
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 9
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 10
    前進するロシア、忍び寄る限界...勝者に見えるプーチ…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中