最新記事
生活保護

生活保護と医療保険、外国人「乱用」の真実

CARE WITHOUT BORDERS

2026年1月26日(月)10時30分
奥貫妃文 (昭和女子大学人間社会学部教授)
ドイツの難民外来診療所の「待機室」には3カ国語で書かれた案内が JAN WOITASーPICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES

ドイツの難民外来診療所の「待機室」には3カ国語で書かれた案内が JAN WOITASーPICTURE ALLIANCE/GETTY IMAGES

<ドイツのほうが保護は強固、日本も掲げる「内外人平等」原則とは>


▼目次
ドイツでも「不正利用」批判が

「外国人問題」として批判されているものの1つに、日本で暮らす外国人が日本の生活保護制度や国民健康保険制度に「ただ乗り」している、または高額療養費制度を不正利用している、といったことがある。

一方、厚生労働省は2019年に「外国人被保険者に対する国内の診療実績の数値は、必ずしも被保険者に占める外国人の割合に比して大きいとは言えない」 とその事実を否定している。

日本の制度の外国人の包摂度合は諸外国と比較してどうなのか、筆者の研究対象国であるドイツの制度と比較してみたい。

まず前提として、日本では1981年に公的扶助および公的援助に関する「内外人平等原則」を定めた難民条約に加入後、それまで社会保障各法に存在していた国籍条項(給付を受ける要件として、日本国籍を有することを定めた条項)は、生活保護法を除きほぼ撤廃された。

現行の生活保護制度では、外国人は生活保護法に「準じた」取り扱い(準用)がなされるが、その対象は永住者、特別永住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、定住者、認定難民に限定されており、それ以外の在留資格の外国人は準用の対象にもならない。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=続落、ダウ約120ドル安 原油高でイ

ビジネス

NY外為市場=ドル上昇、有事の買い続き159円台後

ビジネス

FRB議長への召喚状差し止め、米地裁 司法省は控訴

ビジネス

米1月求人件数、694.6万件で予想上回る 採用は
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:教養としてのミュージカル入門
特集:教養としてのミュージカル入門
2026年3月17日号(3/10発売)

社会と時代を鮮烈に描き出すミュージカル。意外にポリティカルなエンタメの「魔力」を学ぶ

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製をモデルにした米国製ドローンを投入
  • 2
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切りは常軌を逸している」その怒りの理由
  • 3
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド太平洋防衛
  • 4
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 5
    「イラン送りにすべき...」トランプ孫娘、警護隊引き…
  • 6
    有人機の「盾」となる使い捨て無人機...空の戦いに革…
  • 7
    「映画賞の世界は、はっきり言って地獄だ」――ショー…
  • 8
    『ある日、家族が死刑囚になって』を考えるヒントに…
  • 9
    謎すぎる...戦争嫌いのMAGAがなぜイラン攻撃を支持す…
  • 10
    北極海で見つかった「400年近く生きる生物」がSNSで…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 3
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」と言われる外国特派員の私が思うこと
  • 4
    「このままよりはマシだ」――なぜイランで米軍の攻撃…
  • 5
    キャサリン皇太子妃、英連邦デー式典に出席...公開さ…
  • 6
    職業別の収入に大変動......タクシー運転手・自動車…
  • 7
    【長期戦はイラン有利】米側の体制転覆シナリオに暗…
  • 8
    米軍も防ぎきれないイランのドローン攻撃──イラン製…
  • 9
    ショーン・ペンは黙らない――「ウクライナへの裏切り…
  • 10
    世界の視線は中東から日本へ...企業主導で築くインド…
  • 1
    ロシア政府、痛恨のミス...プーチンの「健康不安説」を裏付けるような動画を公式に投稿してしまう
  • 2
    台湾侵攻「失敗」の大きすぎる代償
  • 3
    メーガン妃、娘リリベット王女との新ショット公開...撮影はパパ
  • 4
    見事なカンフーを見せた中国ヒト型ロボットのからく…
  • 5
    アルコールは血糖値を下げる...「脳と血管を守る」医…
  • 6
    ウクライナ戦闘機「F-16」がロシア軍「シャヘド」を…
  • 7
    「ヘル・コリア」から日本へ7万人 ── 大企業の高給より…
  • 8
    「日本より、自分の国(フランス)を心配すれば?」…
  • 9
    日本の若者「韓国就職」憧れと現実のギャップ ── ビ…
  • 10
    命は長し、働け女たち――88歳「働くばあさん」が説く…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中