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移民問題

アフガン避難民はなぜ「州兵を撃った」のか?...移民バッシングでは防げない「アメリカ社会の欠陥」

Cracks in the System

2025年12月9日(火)16時33分
アブドゥル・ワヒド・グルラニ(米ジョージタウン大学助教、アフガニスタン出身)

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アフガニスタン出身の容疑者はかつてCIAや米軍の協力者だった NATHAN HOWARDーREUTERS

社会的・職業的な地位を失い、法的地位や雇用も定まらず、社会とのつながりを失っているからだ。そこへ家族を養う経済的なプレッシャーや長年にわたる戦争の影響、メンタル面の支援の欠如が加われば、誰だって心理的に破綻しかねない。

容疑者は単独行動で、過激思想に染まっていた兆候はなく、テロ組織とのつながりもなかったとされる。実際、親米政権の崩壊に伴って移住したアフガニスタン人の大半は経済的・心理的・社会的に深刻な困難に直面しながらも、法を遵守して暮らしている。


それでも、この種の事件が起きると社会には「安全パニック」が生じやすい。政治家はより厳格な移民規制を求め、メディアは根拠なき不安をあおり、世論は個別の事件を一般化し、移民社会全体を白い目で見始める。

米兵と同様のサポートを

しかし、必要なのは彼らに適切な支援を提供できない現行システムの欠陥を問うことではないか。アメリカ政府は戦場から帰還した兵士に対し、日常生活に適応するための広範な移行プログラムを提供している。

これには各種の社会的サポートや精神医学的な観察や治療も含まれる。だが米軍に雇われ、米兵と共に戦ったアフガニスタン人の多くは同様の支援を受けていない。

社会の安全を守るには適切な治療と社会的サポート、そしてエビデンスに基づく政策の連携が必要だ。むやみな移民規制の強化ではなく、あの戦争で故郷からの脱出を強いられた人々への丁寧なケアが欠かせない。

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