「民主主義の墓場」? 政府閉鎖下のワシントンに広がる政治的ハロウィン
今年の関心はケネディ厚生長官
ホワイトハウスのクシュ・デサイ報道官は、民主党員らが反トランプ的なハロウィーンの飾り付けで「見た目だけの善行をアピール」していると批判した。そうしたホワイトハウス自体も、ハロウィーンを利用して政敵を揶揄(やゆ)しており、民主党の指導者を模した仮装をインスタグラムに投稿した。
アップロードされた画像の中には、トランプ氏自身の仮装写真に「王冠はかぶっていない」との文言を添えたものもある。これは18日、トランプ氏の権威主義的な傾向や腐敗に抗議するため全米各地で行われた「NO KINGS(王はいらない)」運動を皮肉ったものだとみられる。
今年のハロウィーン装飾で注目を集めたのは、トランプ政権のケネディ厚生長官だ。ケネディ氏は保健福祉省(HHS)の職員を削減し、子どもへの定期的な予防接種は有害だという、すでに否定された説を繰り返している。
ケネディ氏の住むワシントン北西部のリベラルで裕福なジョージタウンでは、複数の骸骨が庭先に飾られ、ワクチンに関連するメッセージが添えられている。
彼の自宅から1ブロックの場所には高さ約3メートルの巨大な骸骨がそびえ、「こんにちは、私はウォーリー! ワクチンは命を救う――私を信じて!」と書かれた看板が添えられている。
保健福祉省の報道官は声明で「明確にしておくが、ケネディ長官は反ワクチンではない。安全性、透明性、説明責任を重視している。長年にわたる彼の活動は、最高水準の安全性を満たし標準的科学に基づくワクチン接種や医療を実現するよう注力してきた」と述べた。
ジョージタウンの別の庭では、首に聴診器をかけた骸骨がフェンスからぶら下がり、「厚生長官」ならぬ「病気推進長官」と書かれた看板が立てられている。
クリスティン・ペインさん(66)はケネディ氏の自宅近くで、子どもサイズの骸骨を玄関の窓際に置き、「ワクチンを打っておけばよかった!」とのメッセージを添えた。ケネディ氏の政策には賛同しないものの、「良き隣人」だと考えているという。
「いまこの国で起きていることについて、皆が声を上げる必要があると思う。特にこのワシントンでは」とペインさんは語った。「ここはとても政治的関心が高いところだから」
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