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ウクライナ戦争

またも「プーチンの策略」か...? トランプの「新たな外交ゲーム」に広がる困惑、米ロ「再接近」の理由とは

Trump’s Surprise Call with Putin Throws Ukraine Aid Into Question

2025年10月20日(月)16時21分
ダニエル・ブッシュ(ホワイトハウス担当)
アラスカでの米ロ首脳会談で握手するプーチン大統領とトランプ大統領

8月のアラスカでの米ロ首脳会談では成果を上げられなかったが KEVIN LAMARQUEーREUTERS

<ウクライナへの支援強化を示唆しつつも、プーチンとの距離を詰めるトランプ。私的関係に基づくアプローチは、停滞する戦況の打開策となるのか?>

ウクライナ戦争終結に向けた外交努力が実を結ばないなか、トランプ米大統領は一時的に戦略を転換したように見えた。

9月下旬、トランプは欧州からの財政支援があれば、ウクライナは領土を奪還できると主張。10月12日には、モスクワにも届く巡航ミサイルのトマホークをウクライナに供与する可能性に言及した。


さらに、ウクライナのゼレンスキー大統領の訪米が迫るなか、ヘグセス国防長官を含む米高官も強硬な発言を繰り返した。戦争終結を拒み続けるロシアのプーチン大統領へのいら立ちが募るなかでの一連の発言は、米政府の方針転換のサインとみられていた。

だが10月16日にトランプがプーチンと電話会談を行うと、全てがひっくり返った。長時間の電話会談を終えたトランプは、2週間以内にハンガリーの首都ブダペストでプーチンと直接会うと発表した。

2人は8月にもアラスカで会談しているが、突破口は開けなかった。それだけに、今回の発表には驚きと疑問の声が多数上がっている。

「アラスカの首脳会談で何の成果も出なかったのに、トランプは同じ過ちを繰り返そうとしている」と、ウクライナの国会議員オレクサンドル・メレシュコは本誌に語った。「何か巧妙な外交ゲームを仕掛けているのかもしれないが、控えめに言って意味不明だ」

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