トランプが自賛する和平仲介は不完全...南カフカスで対立が再燃しかねない
New Era in the Caucasus
トランプの仲介でがっちりと握手を交わすアリエフ(左)とパシニャン(右) KEVIN LAMARQUEーREUTERS
<トランプはアゼルバイジャンとアルメニアに紛争解決を誓わせたが、今なお問題は山積している。周辺大国のロシアやイランも黙っていない>
アルメニアのニコル・パシニャン首相とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領はドナルド・トランプ米大統領の仲介で8月8日、米ホワイトハウスで会談し、和平に向けた枠組みで合意した。両国の紛争は長年、南カフカス地方を揺るがしてきた。その対立の歴史は今ようやく転換点を迎えようとしている。
会談の場でパシニャンとアリエフが署名した共同宣言は、ソ連崩壊以前から続く因縁の対立に終止符を打つことを目指したものだ。実現すれば南カフカスの経済は活発化し地域全体が繁栄を享受できるだろう。加えて、これまでロシア、トルコ、イランの影響下にあったこの地域でアメリカが大きな役割を果たすことにもなる。トランプは孤立主義に傾き、ロシアの影響力拡大を許しているといわれているが、この例を見ると必ずしもそうとは言えないようだ。
とはいえ今回の合意内容はまだまだ不完全で、実質的なリスクをはらんでいる。
アゼルバイジャンもアルメニアもただの停戦にとどまらず、恒久的な平和の実現に向けて交渉を行う姿勢を見せている。協議に関わった官僚によれば、米政府は2026年をめどに平和条約の成立を目指しているという。そのためには両当事国とアメリカが未解決の問題に1つずつ対処し、最後まで粘り強く交渉を続けなければならない。
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