最新記事
韓国大統領選

韓国大統領選、保守王国でもイ・ジェミョン猛追 討論会で勝利したのは知日派の意外な候補

2025年5月21日(水)16時30分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部

在外投票が20日から開始

こうした情勢のなか、大統領選挙の在外国民投票が20日から始まった。韓国時間の20日午前5時、ニュージーランド大使館とオークランド分館、フィジー大使館に設けられた投票所が最初にオープンした。

今回の在外投票は各国現地時間の20日午前8時から25日午後5時まで、世界118カ国223の投票所で実施される。有権者はパスポートや住民登録証、ビザや永住権証明書など写真付きの身分証を持参して投票所を訪れる必要がある。

在外投票の有権者は合計25万8254人で、前回の大統領選挙より14.2%増加した。大陸別ではアジアが約12万8000人で全体の49.9%を占め、アメリカが約7万5000人で29.3%となっている。

今回の大統領選挙では、キューバやルクセンブルク、リトアニア、エストニアの4カ国に初めて在外投票所が設置された。なお、在外投票用紙は自由統一党の候補者が辞退する前に印刷されたため、この候補に投票すると無効票になるという。

テレビ討論会、1回目は経済政策で激論

在外投票開始に先立つ18日には、初のテレビ討論会が「経済」をテーマにピョン・サンウクSBS記者の司会で開催され、各候補がそれぞれの政策を訴えた。

支持率首位を走る共に民主党のイ・ジェミョン候補は、「政府が役割を果たさなければならない」として補正予算を編成し庶民経済を立て直す方針を示し、長期的にはAIやK-カルチャー、再生可能エネルギーを新たな成長動力にすると主張した。

国民の力のキム・ムンス候補は雇用労働部長官だったことから「働き口大統領」になると強調。企業が良質な雇用を創出できるよう規制緩和や研究開発予算の増額を訴えた。また、トランプ政権による「関税戦争」に対しては、トランプ氏との信頼関係をもとに就任直後に韓米首脳会談を開くと述べた。

改革新党のイ・ジュンソク候補は「生産性を高めるべき」と主張し、イ・ジェミョン候補の「賃金減少のない週4.5日制」公約について「『どのように』が抜けている」と批判した。

あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ロシア高官、ルーブル高が及ぼす影響や課題を警告

ワールド

ゼレンスキー氏、和平協議「幾分楽観視」 容易な決断

ワールド

プーチン大統領、経済の一部セクター減産に不満 均衡

ワールド

プーチン氏、米特使と和平案巡り会談 欧州に「戦う準
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:日本時代劇の挑戦
特集:日本時代劇の挑戦
2025年12月 9日号(12/ 2発売)

『七人の侍』『座頭市』『SHOGUN』......世界が愛した名作とメイド・イン・ジャパンの新時代劇『イクサガミ』の大志

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    大気質指数200超え!テヘランのスモッグは「殺人レベル」、最悪の環境危機の原因とは?
  • 2
    トランプ支持率がさらに低迷、保守地盤でも民主党が猛追
  • 3
    若者から中高年まで ── 韓国を襲う「自殺の連鎖」が止まらない
  • 4
    海底ケーブルを守れ──NATOが導入する新型水中ドロー…
  • 5
    「世界一幸せな国」フィンランドの今...ノキアの携帯…
  • 6
    もう無茶苦茶...トランプ政権下で行われた「シャーロ…
  • 7
    人生の忙しさの9割はムダ...ひろゆきが語る「休む勇…
  • 8
    22歳女教師、13歳の生徒に「わいせつコンテンツ」送…
  • 9
    【香港高層ビル火災】脱出は至難の技、避難経路を階…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファール勢ぞろい ウクライナ空軍は戦闘機の「見本市」状態
  • 3
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 4
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体…
  • 5
    【クイズ】次のうち、マウスウォッシュと同じ効果の…
  • 6
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 7
    128人死亡、200人以上行方不明...香港最悪の火災現場…
  • 8
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 9
    【銘柄】関電工、きんでんが上昇トレンド一直線...業…
  • 10
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 3
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中