最新記事
北朝鮮

「貧しい」「核ミサイル」「独裁者」のイメージはもう古い...経済も順調、北朝鮮が歩み始めた「独自の道」とは?

No Longer Poor and Alone

2025年5月8日(木)15時23分
浅川新介(ジャーナリスト)

韓国との関係は断絶状態だ。北朝鮮に融和的だった文在寅(ムン・ジェイン)政権を「裏切り者」と呼び、対北強攻策を進めた尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は相手にしなかった。その挙げ句の「敵国」宣言だ。経済交流どころか、南北対話さえ長い間行われていない。

地政学的な変化も重なった。ウクライナ戦争中のロシアは北朝鮮に支援を求めた。「朝ロ戦略的パートナーシップ条約」を24年に締結し、北朝鮮は武器支援、さらには自軍兵士の派遣まで行っている。


「血の同盟」である中国とは不和説も流れるが、経済支援は止まっていない。「緩衝地帯」としての地政学的価値が現在も変わらないためだ。

現在の北朝鮮は「安保は核で、経済は自力更生と自給自足で、外交はロシア・中国中心で」が前提。国防5カ年計画の成果、そして26年の開催が予想される朝鮮労働党第9回大会で、新たな国家方針・戦略が示されるだろう。

変数はトランプだ。現在、北朝鮮はアメリカを無視しているが、魅力的な提案があれば身を乗り出すだろう。核保有国容認と言わずとも、米韓軍事演習の縮小・中止、在韓米軍の削減などだ。6月の次期韓国大統領選の結果も注視しなければならないが。

ニューズウィーク日本版 世界も「老害」戦争
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月25日号(11月18日発売)は「世界も『老害』戦争」特集。アメリカやヨーロッパでも若者が高齢者の「犠牲」に

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

新潟県知事、柏崎刈羽原発の再稼働を条件付きで容認 

ビジネス

独総合PMI、11月速報値は52.1 2カ月ぶり低

ワールド

EU、域内貿易でトランプ関税に対応可能=ラガルドE

ワールド

化石燃料からの移行、COP30合意文書から削除 国
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界も「老害」戦争
特集:世界も「老害」戦争
2025年11月25日号(11/18発売)

アメリカもヨーロッパも高齢化が進み、未来を担う若者が「犠牲」に

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判殺到、そもそも「実写化が早すぎる」との声も
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    【銘柄】イオンの株価が2倍に。かつての優待株はなぜ成長株へ転生できたのか
  • 4
    中国の新空母「福建」の力は如何ほどか? 空母3隻体…
  • 5
    ロシアはすでに戦争準備段階――ポーランド軍トップが…
  • 6
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 7
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 8
    アメリカの雇用低迷と景気の関係が変化した可能性
  • 9
    幻の古代都市「7つの峡谷の町」...草原の遺跡から見…
  • 10
    EUがロシアの凍結資産を使わない理由――ウクライナ勝…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR動画撮影で「大失態」、遺跡を破壊する「衝撃映像」にSNS震撼
  • 4
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 5
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 6
    【銘柄】ソニーグループとソニーFG...分離上場で生ま…
  • 7
    【写真・動画】「全身が脳」の生物の神経系とその生態
  • 8
    筋肉の正体は「ホルモン」だった...テストステロン濃…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「まじかよ...」母親にヘアカットを頼んだ25歳女性、…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 4
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後…
  • 5
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 6
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 9
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 10
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中