最新記事
中東

攻撃再開は「始まりにすぎない」...イスラエル極右が狙う「第2次ガザ戦争」の真の目的とは?

The Old War Is Over in Gaza, and a New One Is Underway

2025年4月14日(月)14時14分
デービッド・ローゼンバーグ(ハーレツ紙英語版コラムニスト)
ネタニヤフ首相

Roman Yanushevsky-shutterstock

<1月の停戦合意から一転、攻撃を激化させたイスラエル。その裏にはネタニヤフ首相を操るイスラエル極右勢力の思惑が──>

1月に停戦合意がまとまったはずのガザ戦争が、再び激化している。

イスラエルは3月18日以降、パレスチナ自治区ガザの北部から南部まで幅広い範囲を爆撃し、パレスチナ人の死者は1000人を超えた。


そもそもこの戦争は、ガザを実効支配するイスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルを奇襲して1200人を殺害したことから始まった。これに対してイスラエルは、報復および人質奪還を目指して、ガザに猛烈な攻撃を仕掛けてきた。

だが、戦闘再開から3週間以上がたった今、イスラエルの目標と戦術が以前とは大きく異なること、つまりイスラエルは以前とは異なる戦争をしていることが明白になってきた。1月の停戦までが第1次ガザ戦争だとすれば、3月以降は第2次ガザ戦争と考えるべきだろう。

実際、イスラエルのネタニヤフ首相は最近、攻撃再開は「始まりにすぎない」と語っている。

だが、国民の支持は乏しい。イスラエル国家安全保障研究所の3月下旬の調査によると、ガザでの新たな地上戦を支持すると答えた人は28%にすぎなかった。空爆だけならよいと答えた人は29%、戦闘再開そのものに反対と答えた人は37%に上った。

同時に半数以上の人が、ネタニヤフが戦闘を再開したのは政治的な理由のためだという見方を支持した。ネタニヤフの連立政権は極右政党の参加によって支えられており、彼らに背を向けられないよう、ネタニヤフは極右の言いなりになっているというのだ。

試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

自民の米関税対策本部、政府への提言案議論 国内経済

ワールド

アングル:トランプ政権、移民監視にAI強化 正確性

ワールド

サイバー詐欺拠点が東南アジアから世界に拡大、国連「

ワールド

ローマ教皇フランシスコが死去、88歳 初の中南米出
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 2
    女性職員を毎日「ランチに誘う」...90歳の男性ボランティアが、職員たちにもたらした「学び」
  • 3
    自宅の天井から「謎の物体」が...「これは何?」と投稿した写真が「嫌な予感しかしない」と話題
  • 4
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 5
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 6
    体を治癒させる「カーニボア(肉食)ダイエット」と…
  • 7
    遺物「青いコーラン」から未解明の文字を発見...ペー…
  • 8
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 9
    ロシア軍、「大規模部隊による攻撃」に戦術転換...数…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 3
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 9
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はど…
  • 10
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 3
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった...糖尿病を予防し、がんと闘う効果にも期待が
  • 4
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 7
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
  • 8
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 9
    「テスラ離れ」止まらず...「放火」続発のなか、手放…
  • 10
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中