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尹大統領拘束後に与党の支持率がなぜかアップ...韓国野党が抱える「裁判沙汰」の大問題とは?

Divided Loyalties

2025年1月21日(火)15時49分
ミッチ・シン(ディプロマット誌韓国特派員)

「尹は即座に弾劾されるべきだが、李が大統領選にまた出馬しても票は入れない」と、59歳のイ・チャンソプは話す。「22年に尹に投票した多くの人は、李ではなく、国民の力の大統領候補を選ぶのではないか。李はこの国の統治者として適任ではないと見なされているからだ」

共に民主党は昨年4月に実施された総選挙で地滑り的勝利を収め、党内は李派の議員だらけだ。同党の最大の使命は、李の下で次の大統領選に勝利すること。言い換えれば、党の大統領候補指名争いで李の対抗馬になる人材は、今のところいない。


こうした状況では、最近の世論調査は、ある可能性を反映していると考えていい。尹の弾劾にかかわらず、有権者は次期大統領選で李に投票しないのではないか......?

加えて、李は収賄罪などで起訴され、複数の裁判に直面している。裁判の結果次第では、大統領選に立候補できない可能性もある。

【関連記事】韓国政界名物の「汚職劇場」が再び始まった

ソウル中央地方裁判所は昨年11月、前回大統領選に絡んで虚偽発言をした公職選挙法違反の罪で、李に懲役1年、執行猶予2年の有罪判決を言い渡した。李は控訴を表明したが、大法院(最高裁判所)で判決が確定すれば、政治活動を一定期間、禁じられる。

国民の力は、李の残りの裁判をできる限り迅速に進めるよう促している。だが、控訴裁判所は今も李への判断を示しておらず、尹の弾劾をめぐる憲法裁の審理が先に終了する可能性が高い。

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