最新記事
航空会社

米運輸省、サウスウエスト航空を2路線の慢性的遅延で提訴──ダイヤが非現実的

2025年1月16日(木)11時37分
シカゴの空港に駐機中のサウスウエスト機

1月15日、 米運輸省と司法省は米格安航空会社(LCC)のサウスウエスト航空が非現実的なダイヤによって2路線を慢性的に遅れて運航させ、利用者の移動を妨害しているとして、同航空を相手取ってカリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。写真は2022年12月、米シカゴの空港に駐機中の同型機(2025年 ロイター/Kamil Krzaczynski)

米運輸省と司法省は15日、米格安航空会社(LCC)のサウスウエスト航空が非現実的なダイヤによって2路線を慢性的に遅れて運航させ、利用者の移動を妨害しているとして、同航空を相手取ってカリフォルニア州の連邦地裁に提訴した。最大限の民事制裁金を科すように要求している。

運輸省によると、サウスウエストは2022年の5カ月間にわたり、シカゴ・ミッドウェイ空港とカリフォルニア州オークランドを結ぶ路線と、メリーランド州ボルティモアとオハイオ州クリーブランド間の路線で慢性的に遅れて運航していた。

ブティジェッジ運輸長官は「本日の措置は、運輸省が旅客保護のために裁判を起こす用意があるというメッセージを全ての航空会社に送るものだ」とコメントした。

一方、運輸省はLCCのフロンティア航空に対しても慢性的に遅延する便を複数運航していたとして65万ドルの罰金を科すと発表した。フロンティアは32万5000ドルを支払うことになり、今後3年以内に慢性的な遅延便が発生した場合には残額も支払わなければならなくなる。フロンティアはコメントの要請を拒否した。

サウスウエストは、運輸省が「2年以上超も前の2つの路線について」訴えたことに失望しているとコメントした。サウスウエストは09年以降の2000万便超の運航で他に違反はないとして「これらの2路線が非現実的なダイヤだという主張は、過去15年間の当社の実績と比較すると単純に信用できない」とし、「24年にサウスウエストは99%超の便をキャンセルすることなく運航し、業界をリードした」と言及した。

運輸省の基準では、月に10便以上を運航する路線で到着が30分超遅れることが50%以上あった場合、その路線は慢性的に遅延していることになる。

トランプ次期政権がこの訴訟を支持するのかどうかは分かっていない。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


試写会
『クィア/Queer』 ニューズウィーク日本版独占試写会 45名様ご招待
あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米債市場の動き、FRBが利下げすべきとのシグナル=

ビジネス

米ISM製造業景気指数、4月48.7 関税コストで

ビジネス

米3月建設支出、0.5%減 ローン金利高騰や関税が

ワールド

ウォルツ米大統領補佐官が辞任へ=関係筋
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に高く、女性では反対に既婚の方が高い
  • 2
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来が来るはずだったのに...」
  • 3
    タイタニック生存者が残した「不気味な手紙」...何が書かれていた?
  • 4
    ウクライナ戦争は終わらない──ロシアを動かす「100年…
  • 5
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 6
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 7
    悲しみは時間薬だし、幸せは自分次第だから切り替え…
  • 8
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」では…
  • 9
    クルミで「大腸がんリスク」が大幅に下がる可能性...…
  • 10
    【徹底解説】次の教皇は誰に?...教皇選挙(コンクラ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 5
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 6
    日本の未婚男性の「不幸感」は他国と比べて特異的に…
  • 7
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 8
    マリフアナを合法化した末路とは? 「バラ色の未来…
  • 9
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 10
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 9
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 10
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中