最新記事
航空機

ロシアの航空機、相次ぐエンジントラブルで空港にリターン 長引く経済制裁で航空業界の「墜落」も近い

Russia's Ailing Commercial Aviation Hit by Spate of Engine Failures

2025年1月8日(水)16時57分
ブレンダン・コール
緊急着陸したウラル航空の旅客機

シベリアのノボシビルスク州で緊急着陸したウラル航空の旅客機(2023年9月12日)

<ウクライナ侵攻以降、欧米の航空機と部品が手に入らなくなったロシアの民間航空機は老朽化する一方。戦争前に1000機以上あった民間航空機の数は、2026年には半分以下になると予測されている>

報道によると、ロシア旅客機2機が1月2日と3日に相次ぐエンジントラブルで、出発空港への引き返しを余儀なくされた。ロシアの航空業界はウクライナ侵攻のため西側の制裁対象で老朽化がひどく、徐々に運航にも支障を来たしている。

テレグラムのロシア航空専門チャンネル「Aviatorshchina」によると、ウラル航空の飛行機がエジプトのシャルム・エル・シェイクに戻ったほか、ノルドスター航空のボーイング737型機も、エンジントラブルでヴォルゴグラードに戻らなければならなかったという。

本誌は、それぞれの航空会社およびロシア連邦航空運輸局に電子メールでコメントを求めた。

ロシアのウラジーミル・プーチン大統領のウクライナ侵攻を受け、米国とEUはロシアの航空機に制裁を科した。ロシアの民間航空機の3分の2はボーイング製とエアバス製だ。制裁措置には、航空機のメンテナンス停止や、新しい機体の供給停止が含まれており、ロシアの航空産業を継続的に悪化させる可能性が高い。

ウラル航空は2025年1月3日、エジプトのシャルム・エル・シェイクから、ロシアのエカテリンブルグへ飛行中だったエアバスA321型機のエンジンが、高度1万3000フィート(3962メートル)で故障したと発表した。

座談会
「アフリカでビジネスをする」の理想と現実...国際協力銀行(JBIC)若手職員が語る体験談
あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

アングル:米保守派カーク氏殺害の疑い ユタ州在住の

ワールド

米トランプ政権、子ども死亡25例を「新型コロナワク

ワールド

アングル:ロシア社会に迫る大量の帰還兵問題、政治不

ワールド

カーク氏射殺、22歳容疑者を拘束 弾薬に「ファシス
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:世界が尊敬する日本の小説36
特集:世界が尊敬する日本の小説36
2025年9月16日/2025年9月23日号(9/ 9発売)

優れた翻訳を味方に人気と評価が急上昇中。21世紀に起きた世界文学の大変化とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 2
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる」飲み物はどれ?
  • 3
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサイルが命中、米政府「機密扱い」の衝撃映像が公開に
  • 4
    「二度見した」「小石のよう...」マッチョ俳優ドウェ…
  • 5
    科学が解き明かす「長寿の謎」...100歳まで生きる人…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 8
    「AIで十分」事務職が減少...日本企業に人材採用抑制…
  • 9
    【クイズ】世界で最も「火山が多い国」はどこ?
  • 10
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 3
    「中野サンプラザ再開発」の計画断念、「考えてみれば当然」の理由...再開発ブーム終焉で起きること
  • 4
    「我々は嘘をつかれている...」UFOらしき物体にミサ…
  • 5
    埼玉県川口市で取材した『おどろきの「クルド人問題…
  • 6
    【クイズ】世界で1番「島の数」が多い国はどこ?
  • 7
    【クイズ】次のうち、飲むと「蚊に刺されやすくなる…
  • 8
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
  • 9
    観光客によるヒグマへの餌付けで凶暴化...74歳女性が…
  • 10
    眠らないと脳にゴミがたまる...「脳を守る」3つの習…
  • 1
    「4針ですかね、縫いました」日本の若者を食い物にする「豪ワーホリのリアル」...アジア出身者を意図的にターゲットに
  • 2
    「自律神経を強化し、脂肪燃焼を促進する」子供も大人も大好きな5つの食べ物
  • 3
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?
  • 4
    「まさかの真犯人」にネット爆笑...大家から再三「果…
  • 5
    信じられない...「洗濯物を干しておいて」夫に頼んだ…
  • 6
    「レプトスピラ症」が大規模流行中...ヒトやペットに…
  • 7
    「あなた誰?」保育園から帰ってきた3歳の娘が「別人…
  • 8
    将来ADHDを発症する「幼少期の兆候」が明らかに?...…
  • 9
    プール後の20代女性の素肌に「無数の発疹」...ネット…
  • 10
    「怖すぎる」「速く走って!」夜中に一人ランニング…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中