最新記事
ウクライナ戦争

ロシア戦車・装甲車、ウクライナ戦争での「劇的な減少」...英国防省が公開した写真で改めて明らかに

Satellite Images Show Scale of Russian Losses As 'Outdated' Vehicles Used

2024年12月22日(日)13時05分
アリア・ショエブ
ウクライナ戦争でのロシア軍用車両の損失規模

Drop of Light/Shutterstock

<英国防省は、ロシア軍は今回の戦争で戦車3600両以上を失ったとし、ソ連時代の旧式兵器に頼らざるを得ない状況になっていると説明>

ロシアがウクライナ侵攻を開始して以来、ロシアの戦車や装甲車両はウクライナ軍のドローン攻撃などによって甚大な被害を受けてきた。破壊された車両の実際の数は、ロシアが正確なデータを公表しなければ分からない。だが、このたび英国防省が公開した写真を見る限り、稼働できる軍用車両が大幅に減少していることは確かなようだ。

■【写真】ロシア軍が保有する戦車、「劇的な減少」が改めて明らかに...「損失の規模」を示す写真を英国防省が公開

英国防省は12月17日、複数の基地においてロシア軍の車両が劇的に減少していることを示す写真を公開した。軍用車両の在庫が枯渇していることは、ロシアの軍事資源が消耗していることの表れであり、ウクライナでの長期的な攻撃作戦を維持できるのかという疑問を提起する。

2022年6月と2024年7月に撮影された、ロシアのアルセーニエフの基地の衛星写真を比較すると、装甲車両の列がなくなっていることがわかる。ブイの基地の写真も、2022年8月から2024年6月の間に装甲車両の数が著しく減少したことを示している。

ウランウデの戦車貯蔵基地を映した3組目の画像によると、2022年6月にあった大量の車両が、2024年10月にはごく一部しか残っていない。

英国防省の説明によれば、ロシアは2022年2月の侵攻開始以来、戦車3600両以上と装甲車両約8000台を失ったという。そのためロシア軍は、整備も不十分なソビエト時代の旧式の兵器に頼るようになっているとしている。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

米小売売上高、5月ー0.9%で予想以上の減少 コア

ビジネス

日産、3代目「リーフ」を米で今秋発売 航続距離など

ワールド

ロシア安保高官が今月2回目の訪朝、金総書記と会談 

ビジネス

アングル:日銀、経済下押しの程度を注視 年内利上げ
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:コメ高騰の真犯人
特集:コメ高騰の真犯人
2025年6月24日号(6/17発売)

なぜ米価は突然上がり、これからどうなるのか? コメ高騰の原因と「犯人」を探る

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 2
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?...「がん」「栄養」との関係性を管理栄養士が語る
  • 3
    「うちの赤ちゃんは一人じゃない」母親がカメラ越しに見た「守り神」の正体
  • 4
    若者に大不評の「あの絵文字」...30代以上にはお馴染…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    イタリアにある欧州最大の活火山が10年ぶりの大噴火.…
  • 7
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 8
    50歳を過ぎた女は「全員おばあさん」?...これこそが…
  • 9
    林原めぐみのブログが「排外主義」と言われてしまう…
  • 10
    サイコパスの顔ほど「魅力的に見える」?...騙されず…
  • 1
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の瞬間...「信じられない行動」にネット驚愕
  • 2
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロットが指摘する、墜落したインド航空機の問題点
  • 3
    大阪万博は特に外国人の評判が最悪...「デジタル化未満」の残念ジャパンの見本市だ
  • 4
    「セレブのショーはもう終わり」...環境活動家グレタ…
  • 5
    ブラッド・ピット新髪型を「かわいい」「史上最高に…
  • 6
    「サイドミラー1つ作れない」レアアース危機・第3波で…
  • 7
    ファスティングをすると、なぜ空腹を感じなくなるの…
  • 8
    「タンパク質」より「食物繊維」がなぜ重要なのか?.…
  • 9
    右肩の痛みが告げた「ステージ4」からの生還...「生…
  • 10
    アメリカは革命前夜の臨界状態、余剰になった高学歴…
  • 1
    日本の「プラごみ」で揚げる豆腐が、重大な健康被害と環境汚染を引き起こしている
  • 2
    【定年後の仕事】65歳以上の平均年収ランキング、ワースト2位は清掃員、ではワースト1位は?
  • 3
    一瞬にして村全体が消えた...スイスのビルヒ氷河崩壊の瞬間を捉えた「恐怖の映像」に広がる波紋
  • 4
    庭にクマ出没、固唾を呑んで見守る家主、そして次の…
  • 5
    大爆発で一瞬にして建物が粉々に...ウクライナ軍「Mi…
  • 6
    「ママ...!」2カ月ぶりの再会に駆け寄る13歳ラブラ…
  • 7
    あなたも当てはまる? 顔に表れるサイコパス・ナルシ…
  • 8
    ドローン百機を一度に発射できる中国の世界初「ドロ…
  • 9
    【クイズ】EVの電池にも使われる「コバルト」...世界…
  • 10
    気温40℃、空港の「暑さ」も原因に?...元パイロット…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中