最新記事
メディア

選挙予測大ハズレ、トランプに「大惨敗」...凋落した主流メディアに未来はあるのか

MAINSTREAM MEDIA’S LOSS

2024年11月22日(金)12時30分
カーロ・ベルサノ

マーティン・ガリーは元CIA分析官で、現在は政治とメディアの関係を研究している。彼は14年の著書『大衆の反乱と権威の危機』で、主流メディアが失速し始めたのはデジタル情報の爆発的増加がメディアの権威を損ない、その欠点を浮き彫りにした時期だと指摘した。

力のバランスがエリートから大衆へと傾き、「民主主義政府を支えてきたジャーナリズム、学術界、科学界の権威が一斉に疑問視された」と論じた。

クレアモント・マッケンナ大学の政治学者ジョン・ピットニーは、「今では人々は多種多様な情報源から情報を得ている」と述べる。「政治の議論を主導するのはSNSだ」


だがSNS上の議論でも報道機関は重要な役割を果たしていると、ピットニーは考える。報道への批判であれ報道の一部を都合よく切り取るような場合であれ、「SNSで盛り上がる政治的話題の大半は、主流メディアが出どころだ」。

さらにピットニーは7月、ペンシルベニア州バトラーで起きたトランプ暗殺未遂事件を引き合いに出す。あの日撮影された中で最も注目を集めたのは、AP通信社のフォトグラファーがiPhoneではなくプロの機材で撮った写真だった。

「主流メディアが果たすべき役割は今もある」と、彼は言う。選挙戦終盤には、大衆の心が離れたことを主流メディアが自覚した兆しも見られた。

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

アングル:値上げ続きの高級ブランド、トランプ関税で

ワールド

訂正:トランプ氏、「適切な海域」に原潜2隻配備を命

ビジネス

トランプ氏、雇用統計「不正操作」と主張 労働省統計

ビジネス

労働市場巡る懸念が利下げ支持の理由、FRB高官2人
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:トランプ関税15%の衝撃
特集:トランプ関税15%の衝撃
2025年8月 5日号(7/29発売)

例外的に低い日本への税率は同盟国への配慮か、ディールの罠か

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 3
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿がSNSで話題に、母親は嫌がる娘を「無視」して強行
  • 4
    カムチャツカも東日本もスマトラ島沖も──史上最大級…
  • 5
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 6
    オーランド・ブルームの「血液浄化」報告が物議...マ…
  • 7
    【クイズ】2010~20年にかけて、キリスト教徒が「多…
  • 8
    これはセクハラか、メンタルヘルス問題か?...米ヒー…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 3
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜つくられる
  • 4
    いきなり目の前にヒグマが現れたら、何をすべき? 経…
  • 5
    日本人の児童買春ツアーに外務省が異例の警告
  • 6
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 7
    いま玄関に「最悪の来訪者」が...ドアベルカメラから…
  • 8
    中国が強行する「人類史上最大」ダム建設...生態系や…
  • 9
    枕元に響く「不気味な咀嚼音...」飛び起きた女性が目…
  • 10
    【クイズ】1位は韓国...世界で2番目に「出生率が低い…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 3
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅で簡単にできる3つのリハビリ法
  • 4
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 5
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
  • 6
    囚人はなぜ筋肉質なのか?...「シックスパック」は夜…
  • 7
    「細身パンツ」はもう古い...メンズファッションは…
  • 8
    ディズニー・クルーズラインで「子供が海に転落」...…
  • 9
    「ベンチプレス信者は損している」...プッシュアップ…
  • 10
    ロシアの労働人口減少問題は、「お手上げ状態」と人…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中