最新記事
IPO

東京メトロ、需要倍率は15倍超える 6年ぶり大型IPO=関係者

2024年10月15日(火)11時21分
東京霞ケ関駅

10月23日に新規上場する東京地下鉄(東京メトロ)が、公開価格を1200円に決定したことが分かった。写真は財務省前にある東京メトロの駅の看板。都内で8月撮影(2024年 ロイター/Miho Uranaka)

23日に新規上場する東京地下鉄(東京メトロ)が、公開価格を1200円に決定したことが分かった。需要倍率15倍を超える旺盛な購入意欲を背景に、仮条件の上限で決める。複数の関係者が明らかにした。15日に公開価格を発表する。

関係者らによると、6年ぶりの大型上場は高い配当利回りに関心を集めた。8─11日にかけて実施した個人や機関投資家などからの需要を積み上げるブックビルディング(需要申告)の倍率は、15倍を超えた。

全体の78.5%を占める個人分が約10倍超、1.5%に当たる国内機関投資家分が20倍以上、残りの20%である海外機関投資分については30倍を超えたという。

7日に発表した仮条件は1100─1200円だった。

公開価格に基づく売り出し総額は3486億円、上場時の時価総額は6972億円。金融情報を扱うロンドン証券取引所グループ(LSEG)のデータによると、2018年に上場した通信大手ソフトバンク以来の規模となる。

東京メトロはロイターの取材に対し「IPOに関してはコメントを控える」と応じた。

東京メトロは配当性向目標4割以上を掲げており、1株当たり配当40円を公開価格で割った配当利回りは3.3%となる。DZHフィナンシャルリサーチの田中一実アナリストは配当利回りについて「民鉄やJR各社と比較して突出している」と指摘。「鉄道事業という安定性に加えて、インバウンドの増加により成長性にも期待できる」との見方を示した。

個人株主の関心が高い株主優待は、駅構内で運営するそば店のかき揚げ無料券がインターネット上などで話題になった。

東京メトロ株は国が53.4%、都が46.6%を保有している。IPOでは、国が26.7%、都が23.3%の合計50%を売却する。東日本大震災の復興財源確保法は、国が27年度までに確保した東京メトロ株の売却収入を復興債の償還費用に充てると規定している。

(浦中美穂、Sam Nussey 編集:田中志保)



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2024トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

ニューズウィーク日本版 ガザの叫びを聞け
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年12月2日号(11月26日発売)は「ガザの叫びを聞け」特集。「天井なき監獄」を生きる若者たちがつづった10年の記録[PLUS]強硬中国のトリセツ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


あわせて読みたい
ニュース速報

ワールド

ウクライナ大統領府長官が辞任、和平交渉を主導 汚職

ビジネス

米株式ファンド、6週ぶり売り越し

ビジネス

独インフレ率、11月は前年比2.6%上昇 2月以来

ワールド

外為・株式先物などの取引が再開、CMEで11時間超
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:ガザの叫びを聞け
特集:ガザの叫びを聞け
2025年12月 2日号(11/26発売)

「天井なき監獄」を生きるパレスチナ自治区ガザの若者たちが世界に向けて発信した10年の記録

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙すぎた...「心配すべき?」と母親がネットで相談
  • 2
    100年以上宇宙最大の謎だった「ダークマター」の正体を東大教授が解明? 「人類が見るのは初めて」
  • 3
    【クイズ】世界遺産が「最も多い国」はどこ?
  • 4
    【寝耳に水】ヘンリー王子&メーガン妃が「大焦り」…
  • 5
    「攻めの一着すぎ?」 国歌パフォーマンスの「強めコ…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    エプスタイン事件をどうしても隠蔽したいトランプを…
  • 8
    子どもより高齢者を優遇する政府...世代間格差は5倍…
  • 9
    メーガン妃の「お尻」に手を伸ばすヘンリー王子、注…
  • 10
    バイデンと同じ「戦犯」扱い...トランプの「バラ色の…
  • 1
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで墜落事故、浮き彫りになるインド空軍の課題
  • 2
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるようになる!筋トレよりもずっと効果的な「たった30秒の体操」〈注目記事〉
  • 3
    マムダニの次は「この男」?...イケメンすぎる「ケネディの孫」の出馬にSNS熱狂、「顔以外も完璧」との声
  • 4
    海外の空港でトイレに入った女性が見た、驚きの「ナ…
  • 5
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
  • 6
    【最先端戦闘機】ミラージュ、F16、グリペン、ラファ…
  • 7
    老後資金は「ためる」より「使う」へ──50代からの後…
  • 8
    AIの浸透で「ブルーカラー」の賃金が上がり、「ホワ…
  • 9
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 10
    7歳の息子に何が? 学校で描いた「自画像」が奇妙す…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 3
    一瞬にして「巨大な橋が消えた」...中国・「完成直後」の橋が崩落する瞬間を捉えた「衝撃映像」に広がる疑念
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 6
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸…
  • 7
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    まるで老人...ロシア初の「AIヒト型ロボット」がお披…
  • 10
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中