最新記事
ロシア情勢

「もはや居住不可能」走行中の車窓から見た露ベルゴロド州の荒廃した街並み、動画撮影中にも爆発音

Belgorod Video Shows Russian Village Ravaged by Strikes: 'Not Habitable'

2024年3月21日(木)16時50分
イザベル・ファン・ブリューゲン
砲撃で破壊されたという数台の車両

砲撃で破壊されたという数台の車両。写真はベルゴロド州知事のビャチェスラフ・グラトコフがテレグラムに共有したもの(3月16日、ロシア・ベルゴロド州) Telegram channel of Governor of Belgorod Region Vyacheslav Gladkov/Handout via REUTERS

<ウクライナ側に立って闘うロシアの3つの反プーチン武装組織がロシアに越境攻撃を展開。ベルゴロド州南西部の村で撮影されたという動画に映っていた街の様子は...>

ウクライナとの国境に近いロシアのベルゴロド州で撮影された動画がX(旧ツイッター)上で共有され、注目を集めている。現在、ロシアを離れてウクライナ軍と共闘する3つの組織がロシアに向けて越境攻撃を行っており、動画はベルゴロド州南西部の村コジンカが激しい攻撃を受ける様子を撮影したものとみられる。

【動画】走行中にも爆発音と煙が...車窓から見たベルゴロド州コジンカ村の荒廃した街並み

問題の動画は、ロシアとウクライナの戦争に関する情報を英語に翻訳する独立メディア「WarTranslated」のDmitriというユーザーがXで共有。「ベルゴロド州コジンカ(特別軍事作戦区域でもはや居住不可能)」という説明が添えられている。本誌は動画がいつどこで撮影されたものかを独自に確認することができず、ロシア国防省にメールでコメントを求めたが返答はなかった。

ウクライナ軍と共闘する3つの反プーチン武装組織である「ロシア自由軍」「ロシア義勇軍団」「シベリア部隊」は3月12日にロシア南部のベルゴロド地方とクルスク地方に対する攻撃を展開。現在も作戦は進行中だ。

ベルゴロドはウクライナとの国境近くに位置し、ロシア軍の基地や訓練場が複数ある。地元当局は定期的に無人機の飛来を報告しており、前述の武装組織による攻撃を受けてこの地域での戦闘は激化している。

武装組織が地元住民に「即刻退避」を要請

X上で共有された今回の動画は、武装組織が占拠したと主張しているコジンカ村の様子を走行中の車の中から撮影したものだ。武装組織のメンバーらは17日、コジンカで組織の旗を掲げる様子を撮影した写真をテレグラムに投稿。ロシア義勇軍団も、戦闘員の一人が同地域でロシア軍の装甲車に向けて発砲する様子を撮影した動画を公開した。

動画には「コジンカはクソだ。見てみろ! 店がなくなった! あの店はもうなくなったんだ!」と言う男の声が入っており、この地域の破壊の規模が映し出されている。さらに爆発音が聞こえ、車のサイドミラーには煙が立ち上る様子が映り、「あの家もなくなった」という男の声が聞こえる。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ウクライナ、北東部国境の町の6割を死守 激しい市街

ビジネス

インフレ率低下、持続可能かの判断は時期尚早=ジェフ

ビジネス

インフレ指標に失望、当面引き締め政策が必要=バーF

ビジネス

物価目標達成に向けた確信「時間かかる」=米アトラン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:スマホ・アプリ健康術
特集:スマホ・アプリ健康術
2024年5月28日号(5/21発売)

健康長寿のカギはスマホとスマートウォッチにあり。アプリで食事・運動・体調を管理する方法

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    米誌映画担当、今年一番気に入った映画のシーンは『悪は存在しない』のあの20分間

  • 2

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の「ロイヤル大変貌」が話題に

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    中国の文化人・エリート層が「自由と文化」を求め日…

  • 5

    半裸でハマスに連れ去られた女性は骸骨で発見された─…

  • 6

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 7

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 8

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた…

  • 9

    9年前と今で何も変わらない...ゼンデイヤの「卒アル…

  • 10

    「親ロシア派」フィツォ首相の銃撃犯は「親ロシア派…

  • 1

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 2

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両を一度に焼き尽くす動画をウクライナ軍が投稿

  • 3

    エジプトのギザ大ピラミッド近郊の地下に「謎めいた異常」...「極めて重要な発見」とは?

  • 4

    「EVは自動車保険入れません」...中国EVいよいよヤバ…

  • 5

    原因は「若者の困窮」ではない? 急速に進む韓国少…

  • 6

    「隣のあの子」が「未来の王妃」へ...キャサリン妃の…

  • 7

    北米で素数ゼミが1803年以来の同時大発生、騒音もダ…

  • 8

    SNSで動画が大ヒットした「雨の中でバレエを踊るナイ…

  • 9

    「まるでロイヤルツアー」...メーガン妃とヘンリー王…

  • 10

    プーチン5期目はデフォルト前夜?......ロシアの歴史…

  • 1

    ロシア「BUK-M1」が1発も撃てずに吹き飛ぶ瞬間...ミサイル発射寸前の「砲撃成功」動画をウクライナが公開

  • 2

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 3

    EVが売れると自転車が爆発する...EV大国の中国で次々に明らかになる落とし穴

  • 4

    新宿タワマン刺殺、和久井学容疑者に「同情」などで…

  • 5

    やっと撃墜できたドローンが、仲間の兵士に直撃する…

  • 6

    立ち上る火柱、転がる犠牲者、ロシアの軍用車両10両…

  • 7

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 8

    一瞬の閃光と爆音...ウクライナ戦闘機、ロシア軍ドロ…

  • 9

    ヨルダン・ラジワ皇太子妃のマタニティ姿「デニム生地…

  • 10

    ロシア兵がウクライナ「ATACMS」ミサイルの直撃を受…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中