最新記事
北朝鮮

金正恩の「贅沢と核開発」を支える「奴隷労働者」...「雇用仲介者」は中国

China Holds the Key

2023年8月9日(水)15時03分
イ・ミンヨン(韓国・淑明女子大学客員教授)

北朝鮮人労働者を救え

北朝鮮の核・ミサイル開発の進展は、激化する米中の覇権争いと無関係ではない。最近の日米韓の安全保障協力強化の要因や、アジアの安全保障に対するNATOの関心が中国の国家安全保障に与える影響は真剣に分析すべきだ。

中国は北朝鮮人労働者の雇用について考え直す必要がある。安保理決議に沿った労働者送還はささやかな取り組みに思えるかもしれないが、実行すれば北朝鮮に強いメッセージを発することになる。最も確実な外貨収入源を断てば、北の核開発は破綻し、中国の支えで生き延びてきた現体制は決定的打撃を受けるはずだ。

こうした介入は中国に無数の利益をもたらす可能性もある。対米・対韓関係が劇的に改善し、アジア太平洋地域に漂う暗雲の一部は消え去るだろう。

冷戦終結は、中国が超大国に上り詰める道を開いた。自国を利した国際秩序にひびが生じているのはなぜか、責任は誰にあるのか、中国は自問しなければならない。

北朝鮮のことを本気で案じるなら、中国は北朝鮮人労働者を奴隷状態から救い、飢餓に苦しむ北朝鮮市民に積極的な食料支援を行うべきだ。こうした人道的措置が、国際社会での中国の地位を大きく向上させることは間違いない。

From thediplomat.com

 
 
 
 

あわせて読みたい
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
あわせて読みたい
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中