最新記事

医療

イーロン・マスクの医療ベンチャーを米政府が調査 病原菌を不法移動

2023年2月10日(金)09時51分
イーロン・マスクとニューラリンクのロゴ

米運輸省は2月9日、実業家イーロン・マスク氏(写真)が設立した医療ベンチャー「ニューラリンク」を調査していると明らかにした。2022年12月撮影(2023年 ロイター/Dado Ruvic/Illustration)

米運輸省は9日、実業家イーロン・マスク氏が設立した医療ベンチャー「ニューラリンク」を調査していると明らかにした。脳に埋め込む小さな装置(インプラント)を介し、危険な病原体を違法に移動した可能性があるとしている。

同省報道官によると、動物福祉団体「責任ある医療のための医師会」(PCRM)がブティジェッジ運輸長官に書簡を送り、ニューラリンクが実験用サルから取り外した脳インプラントを適切に梱包せずに移動させたことを示す電子メールなどの資料を入手したと説明。インプラントにはブドウ球菌やヘルペスなどの病原体が付着していた可能性があるとした。

報道官は、この指摘を「非常に深刻」に受け止めていると説明。ニューラリンクの規制順守の状況などについて調査していると述べた。

ニューラリンクは体の機能がまひした人を再び歩けるようにするなど、神経系疾患の治療に役立つと期待される脳インプラントを開発している。ロイターは昨年12月、同社が動物福祉法違反の疑いで連邦政府の調査を受けていると報じた。

PCRMによると、違法な病原体の移動があったのは2019年で、当時ニューラリンクはカリフォルニア大学デービス校と提携して動物実験を行っていた。PCRMは同社の行為が公衆衛生に危険をもたらす恐れがあるとしたが、被害の実例には言及していない。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2023トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

半導体への関税率、EUに「劣後しないこと」を今回の

ワールド

米政権、ハーバード大の特許権没収も 義務違反と主張

ビジネス

中国CPI、7月は前年比横ばい PPI予想より大幅

ワールド

米ロ首脳、15日にアラスカで会談 ウクライナ戦争終
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
特集:Newsweek Exclusive 昭和100年
2025年8月12日/2025年8月19日号(8/ 5発売)

現代日本に息づく戦争と復興と繁栄の時代を、ニューズウィークはこう伝えた

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた「復讐の技術」とは
  • 2
    これぞ「天才の発想」...スーツケース片手に長い階段の前に立つ女性が取った「驚きの行動」にSNSでは称賛の嵐
  • 3
    輸入医薬品に250%関税――狙いは薬価「引き下げ」と中印のジェネリック潰し
  • 4
    伝説的バンドKISSのジーン・シモンズ...75歳の彼の意…
  • 5
    なぜ「あなたの筋トレ」は伸び悩んでいるのか?...筋…
  • 6
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 7
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 8
    60代、70代でも性欲は衰えない!高齢者の性行為が長…
  • 9
    今を時めく「韓国エンタメ」、その未来は実は暗い...…
  • 10
    メーガン妃の「盗作疑惑」...「1点」と語ったパメラ・…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を呼びかけ ライオンのエサに
  • 4
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 5
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 6
    イラン人は原爆資料館で大泣きする...日本人が忘れた…
  • 7
    メーガンとキャサリン、それぞれに向けていたエリザ…
  • 8
    職場のメンタル不調の9割を占める「適応障害」とは何…
  • 9
    【クイズ】次のうち、「軍用機の保有数」で世界トッ…
  • 10
    こんなにも違った...「本物のスター・ウォーズ」をデ…
  • 1
    「週4回が理想です」...老化防止に効くマスターベーション、医師が語る熟年世代のセルフケア
  • 2
    こんな症状が出たら「メンタル赤信号」...心療内科医が伝授、「働くための」心とカラダの守り方とは?
  • 3
    その首輪に書かれていた「8文字」に、誰もが言葉を失った
  • 4
    デンマークの動物園、飼えなくなったペットの寄付を…
  • 5
    デカすぎ...母親の骨盤を砕いて生まれてきた「超巨大…
  • 6
    ウォーキングだけでは「寝たきり」は防げない──自宅…
  • 7
    頭はどこへ...? 子グマを襲った「あまりの不運」が…
  • 8
    山道で鉢合わせ、超至近距離に3頭...ハイイログマの…
  • 9
    12歳の娘の「初潮パーティー」を阻止した父親の投稿…
  • 10
    幸せホルモン「セロトニン」があなたを変える──4つの…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中