最新記事

事件

メキシコ人気歌手、少女2人を騙してセックス・カルトに誘い込んだとして訴えられる

2023年1月7日(土)11時07分
キャロライン・ゲリン
グロリア・トレビ

グロリア・トレビ(左、2005年4月) Pilar Olivares PO-Reuters

<大物女性歌手グロリア・トレビは、元プロデューサーのために当時13歳と15歳だった少女をセックス集団に誘い込んだという>

メキシコの女性歌手、グロリア・トレビ(54)が、未成年の少女2人をセックス・カルトに誘い、少女らが虐待や搾取の被害に遭ったとして訴訟を起こされた。

■【写真】過去に同様の被害にあったとしてトレビらを訴えた女性/トレビに「勧誘」をさせていたという元プロデューサーのアンドラーデ

訴状によると、被害者2人(氏名は伏せられている)は、虐待が行われたとされる1990年代に13歳と15歳だった。2人はトレビが、彼女の元プロデューサーであるセルジオ・アンドラーデのために自分たちを勧誘したと主張している。性的虐待の大半は、訴訟が提起されたロサンゼルス郡で行われたという。

ローリングストーン誌が4日に入手した30ページに及ぶ訴状によれば、被害者2人は、被告らによる「幼少期の性的虐待、性的暴行、暴行、性的いたずら、虐待の生存者」であり、「相当な精神的苦痛、不安、神経過敏、怒り、恐怖」を被っているという。

また、トレビについては、「著名で人気のあるポップスターであり、ラテンアメリカで最も高い報酬を得ている女性アーティストの1人」とし、アンドラーデは「(当時の)メキシコで最も成功した音楽プロデューサーの1人」と説明している。

過去にも性的虐待で逮捕・起訴されるが無罪に

トレビとアンドラーデは2000年1月にも、未成年者に対する性的虐待の罪に問われている。バラエティ誌によると、2人はバックアップ歌手のマリア・ラケネル・ポルティージョと共に逮捕され、セックス集団を運営した罪で起訴された。

トレビは2004年に無罪が確定するまで、レイプ、誘拐、未成年者に性行為をさせた容疑でメキシコ・チワワの刑務所に4年間勾留された。

アンドラーデの元妻のアリーン・エルナンデスは、トレビが少女らの勧誘を手伝い、アンドラーデは少女たちを監禁し、殴打し、食べ物を与えなかったと回想録で明かしている。アンドラーデは、2000年にトレビと同じ罪で1年間服役した。

今回の訴訟が起こされたのは先月30日で、カリフォルニア州が導入していた、未成年者への性的虐待に対する時効を一時的に停止する措置の期限が切れる直前だった。トレビが刑事責任を問われることはない。

トレビは、今月末にメキシコシティで3度の公演を予定している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

日産とマツダ、中国向け新モデル公開 巻き返しへ

ビジネス

トヨタ、中国でテンセントと提携 若者にアピール

ワールド

焦点:「トランプ2.0」に備えよ、同盟各国が陰に陽

ビジネス

午後3時のドルは一時155.74円、34年ぶり高値
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴らす「おばけタンパク質」の正体とは?

  • 3

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗衣氏への名誉棄損に対する賠償命令

  • 4

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 5

    マイナス金利の解除でも、円安が止まらない「当然」…

  • 6

    ワニが16歳少年を襲い殺害...遺体発見の「おぞましい…

  • 7

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 8

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 9

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負け…

  • 10

    ケイティ・ペリーの「尻がまる見え」ドレスに批判殺…

  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 4

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた…

  • 5

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 9

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

  • 10

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中