最新記事

ウクライナ戦争

レアな一騎討ちでロシア戦車を粉砕するウクライナ戦車

Video Shows Ukraine Tank Take Out Russian Tank in One-On-One Showdown

2022年12月14日(水)13時51分
ニック・モードワネック

ウクライナ侵攻前の1月、国境近くで演習していたロシアのT-72B主力戦車 Sergey Pivovarov-REUTERS

<雪景色のなかの一本道で対峙した戦車対決、ウクライナがロシアに圧勝>

ウクライナ東部のルハンシク州で、ウクライナ軍の戦車がロシア軍の戦車を一撃で破壊する様子を捉えたとされる、新たな動画が公開された。

この動画は、「カリバー・オブスキュラ」を名乗る兵器専門家と「アーモビー・バザー」が共同で運営するアカウント「ウクライナ兵器トラッカー」によって、ツイッターに投稿された。動画には、ルハンシク州ノボセリウスクで、ウクライナ陸軍第92独立機械化旅団のT-64BV型戦車が、ロシア軍のT-72B型戦車を破壊する模様が映っている。

【レア動画4選】ウクライナとロシア戦車の一騎討ち<他>

動画の中で、両軍の戦車は直線道路を走行し、かなり離れた距離からにらみ合っていた。その後、ウクライナ軍のT-64BVは、一撃でロシア軍の戦車を破壊し、火柱が上がった。さらに約20秒後に、ウクライナ軍の戦車はもう一発砲撃した。

この動画が撮影されたとされるルハンシク州は、より広い範囲を指すドンバス地方を形成する州の1つで、東側は長い国境でロシアと接している。ルハンシク州は、9月にロシアに一方的に併合された4つの州のうちの1つだ。

本誌では、この動画の撮影場所を独自に特定することはできず、ウクライナとロシア両国の国防省にコメントを求めている状況だ。

ウクライナ国防省はこれと同じ動画をツイートしており、第92独立機械化旅団が撮影したものだとしている。

ウクライナ軍参謀本部は、ロシア軍の兵器および人員に与えた損害に関して毎日行っている報告で、ロシアがウクライナに侵攻を開始した2月24日〜12月12日までの間に殺害されたロシア軍の兵士は、約9万4750人にのぼると報告した。

同じ期間に、ロシア軍の戦車2996台が破壊され、12月11日だけでも24台が破壊されたという。

T-64BV型戦車は、原型となったT-64B主力戦車の近代化版だが、アーミー・レコグニションによれば、装甲が強化された型式だという。T-64BV型は、1985年に製造が始まって以降、ロシア、ウズベキスタン、コンゴ民主共和国、ウクライナなどで使用されてきた。

T-72B主力戦車も、1984年に旧ソ連軍で使われ始めた戦車の改修版だ。同じくアーミー・レコグニションによれば、この戦車の砲塔を覆う装甲には、厚さ20ミリの前面装甲板が追加されるなど防御性能が大幅に向上しているという。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ウクライナ首脳、日本時間29日未明に会談 和平巡

ワールド

訂正-カナダ首相、対ウクライナ25億加ドル追加支援

ワールド

ナイジェリア空爆、クリスマスの実行指示とトランプ氏

ビジネス

中国工業部門利益、1年ぶり大幅減 11月13.1%
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 2
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指すのは、真田広之とは「別の道」【独占インタビュー】
  • 3
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 4
    【世界を変える「透視」技術】数学の天才が開発...癌…
  • 5
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」と…
  • 6
    【銘柄】子会社が起訴された東京エレクトロン...それ…
  • 7
    中国、米艦攻撃ミサイル能力を強化 米本土と日本が…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 10
    「アニメである必要があった...」映画『この世界の片…
  • 1
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 2
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 3
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「史上初の攻撃成功」の裏に、戦略的な「事前攻撃」
  • 4
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
  • 5
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 6
    中国、インドをWTOに提訴...一体なぜ?
  • 7
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 8
    海水魚も淡水魚も一緒に飼育でき、水交換も不要...ど…
  • 9
    批評家たちが選ぶ「2025年最高の映画」TOP10...満足…
  • 10
    アベノミクス以降の日本経済は「異常」だった...10年…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    90代でも元気な人が「必ず動かしている体の部位」とは何か...血管の名医がたどり着いた長生きの共通点
  • 3
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 4
    アジアの豊かな国ランキング、日本は6位──IMF予測
  • 5
    ウクライナ水中ドローンが、ロシア潜水艦を爆破...「…
  • 6
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした…
  • 7
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 8
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 9
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 10
    『SHOGUN 将軍』の成功は嬉しいが...岡田准一が目指…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中