最新記事

中国経済

中国経済にとってコロナ規制が「続けるも地獄・やめるも地獄」な理由

China’s Lockdown Stagnation

2022年9月13日(火)19時14分
ジェームズ・パーマー(フォーリン・ポリシー誌副編集長)

だがコロナ規制をめぐる不安は、中国に長期停滞をもたらした要因のほんの一部分にすぎない。習政権の10年間で粛清や市民活動への弾圧が続いたことで、地方政府当局者たちはリスクを取る余裕を完全に失っている。

習のいわゆる「反形式主義」運動は、官僚が絶えず党の路線を実践することが要求される。つまり、彼らにとって最も安全なのは、ひたすら抑圧を続けること。そこに変化を持ち込む余地などない。

その根底には、地方政府の資金難がある。中国中央政府は1兆ドル近い資金不足に直面しており、その影響を大きく受けているのは地方政府だ。地方政府はこれまで資金不足を土地売却で埋め合わせてきたが、不動産危機で土地売買の市況も低迷している。

これらのどれ一つとして経済崩壊につながるものではないが、痛みの伴う緊縮財政や行き当たりばったりの政策は招きがちだ。現実的な変化は期待できず、国民への負担は重くのしかかる。

From Foreign Policy Magazine

ニューズウィーク日本版 高市早苗研究
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年11月4日/11日号(10月28日発売)は「高市早苗研究」特集。課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

GPIF、7―9月期運用益は14.4兆円 株高で黒

ビジネス

市中向け国債発行「定期評価案」が浮上、年央にも再検

ビジネス

ホンダ、通期業績予想を下方修正 半導体不足による生

ワールド

台風25号、ベトナム中部に上陸 フィリピンでの死者
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    「遺体は原型をとどめていなかった」 韓国に憧れた2人の若者...最悪の勘違いと、残酷すぎた結末
  • 4
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 5
    「これは困るよ...」結婚式当日にフォトグラファーの…
  • 6
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 7
    クマと遭遇したら何をすべきか――北海道80年の記録が…
  • 8
    NY市長に「社会主義」候補当選、マムダニ・ショック…
  • 9
    「なんだコイツ!」網戸の工事中に「まさかの巨大生…
  • 10
    【銘柄】元・東芝のキオクシアHD...生成AIで急上昇し…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎の存在」がSNSで話題に、その正体とは?
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 5
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 6
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「…
  • 7
    【写真・動画】世界最大のクモの巣
  • 8
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 9
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 10
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    「不気味すぎる...」カップルの写真に映り込んだ「謎…
  • 5
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 6
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中