最新記事

ウクライナ情勢

ロシア、ウクライナ東・南部4州編入へ ゼレンスキー「プーチンを止めよ」

2022年9月30日(金)10時22分
ロシアのプーチン大統領

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東・南部4州を正式にロシアに編入する文書の調印式典を30日にクレムリン(大統領府)で開く。写真は、ビデオ会議に参加するプーチン大統領。2022年9月29日にモスクワで撮影。(2022年 ロイター/ Sputnik/Gavriil Grigorov/Kremlin via REUTERS)

ロシアのプーチン大統領は、ウクライナ東・南部4州を正式にロシアに編入する文書の調印式典を30日にクレムリン(大統領府)で開く。ウクライナのゼレンスキー大統領は最悪の結果を回避するためにプーチン氏を止めなければならないと訴えた。

グテレス国連事務総長は29日、ロシアがウクライナ4地域を編入すれば平和の展望が危うくなり、「危険なエスカレーション」になると警告した。

プーチン氏が2月に命令したウクライナ侵攻は今月になってロシア軍の劣勢が目立つようになり、プーチン氏が打開を図るために出した「部分動員令」には国内で不満の声が広がった。

ゼレンスキー氏はプーチン氏ただ一人が戦争の継続を求めることで、ロシア国民は正常な経済や豊かな生活を失うという代償を払うことになると強調し、「まだ止めることができる。しかし、止めるには、命よりも戦争を望むあの人物(プーチン氏)を止める必要がある」と強調した。

ロシアは東部ドネツク州とルガンスク州、南部へルソン州とザポロジエ州の占領地域でロシアへの編入を問う「住民投票」を強行。ウクライナ領土の約15%を占め、ハンガリーやポルトガルの国土に相当する。西側諸国は偽りの投票だと批判している。

プーチン氏は29日、ヘルソンとザポロジエのロシアへの正式編入に必要な法令に署名した。

ゼレンスキー大統領は強硬に対抗すると表明しており、30日に国家安全保障・国防会議の緊急会合を開く。

30日の式典はクレムリン宮殿の「ゲオルギーの間」で行われ、プーチン氏が演説する。モスクワ中心部の赤の広場でコンサートも予定されている。

式典を前にプーチン氏は29日、ロシアの安全保障会議で、軍の部分動員令で生じた全ての誤りを正すべきだと述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ネクスペリア中国部門「在庫十分」、親会社のウエハー

ワールド

トランプ氏、ナイジェリアでの軍事行動を警告 キリス

ワールド

シリア暫定大統領、ワシントンを訪問へ=米特使

ビジネス

伝統的に好調な11月入り、130社が決算発表へ=今
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:高市早苗研究
特集:高市早苗研究
2025年11月 4日/2025年11月11日号(10/28発売)

課題だらけの日本の政治・経済・外交を初の女性首相はこう変える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    「日本のあの観光地」が世界2位...エクスペディア「今年注目の旅行先」、1位は米ビッグスカイ
  • 3
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った「意外な姿」に大きな注目、なぜこんな格好を?
  • 4
    だまされやすい詐欺メールTOP3を専門家が解説
  • 5
    米沿岸に頻出する「海中UFO」──物理法則で説明がつか…
  • 6
    筋肉はなぜ「伸ばしながら鍛える」のか?...「関節ト…
  • 7
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 8
    虹に「極限まで近づく」とどう見える?...小型機パイ…
  • 9
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 10
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読み方は?
  • 4
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」は…
  • 5
    【話題の写真】自宅の天井に突如現れた「奇妙な塊」…
  • 6
    【ウクライナ】要衝ポクロウシクの攻防戦が最終局面…
  • 7
    【クイズ】1位は「蚊」...世界で「2番目に」人間を殺…
  • 8
    女性の後を毎晩つけてくるストーカー...1週間後、雨…
  • 9
    9歳女児が行方不明...失踪直前、防犯カメラに映った…
  • 10
    庭掃除の直後の「信じられない光景」に、家主は大シ…
  • 1
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」はどこ?
  • 2
    英国で「パブ離れ」が深刻化、閉店ペースが加速...苦肉の策は「日本では当たり前」の方式だった
  • 3
    【クイズ】ヒグマの生息数が「世界で最も多い国」はどこ?
  • 4
    かばんの中身を見れば一発でわかる!「認知症になり…
  • 5
    1000人以上の女性と関係...英アンドルー王子、「称号…
  • 6
    増加する「子どもを外注」する親たち...ネオ・ネグレ…
  • 7
    悲しみで8年間「羽をむしり続けた」オウム...新たな…
  • 8
    【クイズ】クマ被害が相次ぐが...「熊害」の正しい読…
  • 9
    【クイズ】日本でツキノワグマの出没件数が「最も多…
  • 10
    お腹の脂肪を減らす「8つのヒント」とは?...食事以…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中