最新記事

韓国政治

韓国ユン大統領、就任3カ月で支持率30%割り込む不人気 検察改革への横槍や与党内紛に国民うんざり

2022年8月1日(月)18時50分
ニューズウィーク日本版ウェブ編集部
大統領就任式でのユン・ソクヨル大統領

大統領就任式でのユン・ソクヨル大統領  Jeon Heon-Kyun/ REUTERS

<史上まれにみる大接戦を制して大統領になった男は、早くも国民から見放された?>

何事につけてもせっかちな気質と言われる韓国国民。だが、5月10日に就任した尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領への支持率低下の早さは異常だ。

世論調査会社・韓国ギャラップが29日に発表した世論調査では尹大統領を支持率は28%と就任3カ月で初めて30%を割り込んだ。前週からは4ポイントのダウンだった。また、1日に世論調査会社のリアルメーターが発表した世論調査でも7月29日付調査で支持28.7%、不支持68.5%となった。JTBCなど韓国メディアが伝えた。

朴槿恵元大統領の支持率が30%を下回ったのは就任から約2年後。文在寅前大統領は就任から4年後に30%を下回ったことを考えると、現在の尹大統領の不人気ぶりが突出していることがわかる。

さらにギャラップの世論調査では尹大統領を「支持しない」と回答した人は、前週より2ポイント上昇し62%となった。6月第2週はまだ30%台前半だった不支持が、1カ月あまりで倍増したことになる。

ユン大統領、不人気の理由は?

今回の世論調査で、尹大統領を支持しない理由について質問したところ、「人事」(21%)が最も多く、ほかに「経験と資質の不足・無能」「経済・国民生活を顧みない」「独断的・一方的」(各8%)などが挙げられた。

またその他の理由として「警察局の新設」「テレグラムメッセージの流出」という今、韓国政界で一番注目されている問題が回答された。世論調査でこのように個別の事案が回答されるのは極めて異例だという。日本ではまだあまり報じられていないこの「警察局の新設」「テレグラムメッセージの流出」問題とはどういうものなのか説明したい。

文政権の検察改革を反故にする警察局設置

尹政権は中央政府組織の行政安全部の中に警察を統括する「警察局」を新設することを7月26日閣議決定した。これはわずか3カ月前に文在寅前政権が公布した検察から捜査権のほとんどを剥奪する法律(改正検察庁法、改正刑事訴訟法)を無力化するための「報復」措置だった。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ネタニヤフ氏、イランの「演習」把握 トランプ氏と協

ワールド

トランプ氏、グリーンランド特使にルイジアナ州知事を

ワールド

ロ、米のカリブ海での行動に懸念表明 ベネズエラ外相

ワールド

ベネズエラ原油輸出減速か、米のタンカー拿捕受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ISSUES 2026
特集:ISSUES 2026
2025年12月30日/2026年1月 6日号(12/23発売)

トランプの黄昏/中国AI/米なきアジア安全保障/核使用の現実味......世界の論点とキーパーソン

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低く、健康不安もあるのに働く高齢者たち
  • 2
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツよりコンビニで買えるコレ
  • 3
    待望の『アバター』3作目は良作?駄作?...人気シリーズが直面した「思いがけない批判」とは?
  • 4
    【外国人材戦略】入国者の3分の2に帰国してもらい、…
  • 5
    週に一度のブリッジで腰痛を回避できる...椎間板を蘇…
  • 6
    「信じられない...」何年間もネグレクトされ、「異様…
  • 7
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 8
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦…
  • 9
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 10
    70%の大学生が「孤独」、問題は高齢者より深刻...物…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入ともに拡大する「持続可能な」貿易促進へ
  • 4
    「食べ方の新方式」老化を防ぐなら、食前にキャベツ…
  • 5
    【実話】学校の管理教育を批判し、生徒のため校則を…
  • 6
    「最低だ」「ひど過ぎる」...マクドナルドが公開した…
  • 7
    自国で好き勝手していた「元独裁者」の哀れすぎる末…
  • 8
    【過労ルポ】70代の警備員も「日本の日常」...賃金低…
  • 9
    ミトコンドリア刷新で細胞が若返る可能性...老化関連…
  • 10
    空中でバラバラに...ロシア軍の大型輸送機「An-22」…
  • 1
    日本がゲームチェンジャーの高出力レーザー兵器を艦載、海上での実戦試験へ
  • 2
    人口減少が止まらない中国で、政府が少子化対策の切り札として「あるもの」に課税
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 6
    「勇気ある選択」をと、IMFも警告...中国、輸出入と…
  • 7
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 8
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 9
    健康長寿の鍵は「慢性炎症」にある...「免疫の掃除」…
  • 10
    兵士の「戦死」で大儲けする女たち...ロシア社会を揺…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中