最新記事

イギリス

追い込まれる英首相ジョンソン、続投表明するも閣外相ら新たに8人辞任

2022年7月7日(木)08時26分
ジョンソン英首相

ジョンソン英首相は6日、主要閣僚による相次ぐ辞任で孤立が深まっているものの、強まる辞任圧力に屈さないと言明した。1日撮影(2022年 ロイター/John Sibley)

ジョンソン英首相は6日、主要閣僚による相次ぐ辞任で孤立が深まっているものの、強まる辞任圧力に屈さないと言明した。しかし議会では閣僚メンバーからも失笑を買うなど、ジョンソン氏の求心力は急低下しており、窮地に追い込まれていることは確かだ。

スナク財務相とジャビド保健相は5日、突然辞任。ここ数カ月の政権に関わる一連の不祥事を受け、信認が失われているとし、もはや職にとどまることはできないと表明した。

6日にはさらに6閣外相、およびフリーア輸出担当相、マクリーン保全(セーフガード)担当相も辞任を表明するなど、これまでに30人以上が辞任している。

ジョンソン首相は議会に対し「困難な状況下での首相の仕事は、前進を続けること」で、「私が行う」と表明した。

与党保守党内のメンバーからも辞任に関する質問があり、ジョンソン氏は「政府が与えられた責務を遂行することが不可能と思われるような状況となれば、辞任するだろう」と応じた。

ジャビド元保健相は議会に対し、政権の一連のスキャンダルや失策について「忠誠心と整合性の綱渡りは、ここ数カ月で不可能になった」とし、「ある時点で、もう十分だと結論付けなければならない。それが今であると確信している」と語った。

ジョンソン首相はその後も、「明日も首相を務めているか」という議会委員会からの質問に対し「もちろんだ」と答え、ウクライナの戦争を含め、国内外における喫緊の課題を踏まえ、現時点での辞任が「責任ある」行動にならないと強調した。

ジョンソン首相の去就の行方を巡っては、6日に開かれる予定の信任投票のルールを定める「1922年委員会」の会合で決定する可能性がある。

また、スナク氏の後任として就任したザハウィ新英財務相は6日、政府は苦境にある同国経済を再建し、成長させる必要があり、そのためにあらゆる選択肢を検討すると表明した。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

中国、国内ハイテク企業への海外投資を促進へ 外資撤

ビジネス

米債務急増への懸念、金とビットコインの価格押し上げ

ワールド

米、いかなる対イラン作戦にも関与せず 緊張緩和に尽

ワールド

イスラエル巡る調査結果近く公表へ、人権侵害報道受け
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 2

    止まらぬ金価格の史上最高値の裏側に「中国のドル離れ」外貨準備のうち、金が約4%を占める

  • 3

    中国のロシア専門家が「それでも最後はロシアが負ける」と中国政府の公式見解に反する驚きの論考を英誌に寄稿

  • 4

    休日に全く食事を取らない(取れない)人が過去25年…

  • 5

    「韓国少子化のなぜ?」失業率2.7%、ジニ係数は0.32…

  • 6

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 7

    日本の護衛艦「かが」空母化は「本来の役割を変える…

  • 8

    中ロ「無限の協力関係」のウラで、中国の密かな侵略…

  • 9

    毎日どこで何してる? 首輪のカメラが記録した猫目…

  • 10

    便利なキャッシュレス社会で、忘れられていること

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なない理由が明らかに

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無…

  • 5

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 6

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 7

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 8

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 9

    価値は疑わしくコストは膨大...偉大なるリニア計画っ…

  • 10

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 7

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中