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完全に合理性を失った「中国ゼロコロナ」、外資・外国人の「大量脱出」が始まった

Beijing’s ‘Slow-Motion Lockdown’

2022年5月25日(水)18時19分
メリンダ・リウ(本誌北京支局長)

官僚制の怪物のせいで

一つの時代が終わった。そんなムードがはっきりと感じられると、アメリカ人弁護士で、長年北京に住むジェームズ・ジマーマンは話す。「私たちはみんな、何かを待っている。例えば、中国政府が向こう1年にわたって予測可能な計画を策定することを」

予測可能性を願うのも当然だ。昨年、ジマーマンはアメリカに一時帰国したが、滞在中に心臓手術が必要になった。術後のリハビリを受け、上海の空港に到着したのは今年3月。新型コロナの感染拡大のため、上海と北京で合計37日間、指定の隔離施設の小さな部屋で過ごす羽目になった。

隔離期間が終了した途端、待っていたのは北京式ロックダウンと検査の毎日だ。

「最初、3日間連続で検査を受ける必要があったが、それは構わなかった」と、ジマーマンは言う。「だがその後、さらに3日間。終わったら、また3日間。いつまでたっても切りがない。官僚制はひとたび生まれれば、独り歩きを始める。そして、怪物に成長する」

From Foreign Policy Magazine

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