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ミャンマー

やりたい放題のミャンマー軍事政権──国際社会はこちらの「惨状」も見過ごすな

2022年4月28日(木)17時06分
ナイ・アウエ・モン(HURFOMプログラム責任者)、マギー・クアドリーニ(人権活動家)

今こそ国際社会が責任を問うとき

このような状況で、国境を越えてタイ領内に逃れる人が再び増加している。しかし、避難民に対するタイ当局の対応は人道的なものとは言い難い。

国境を流れるモエイ川沿いにつくられた仮設の避難所は、大雨で簡単に損壊する。清潔な飲み水と食料が不足しているため、特に子供と高齢者の間で病気も蔓延している。

HURFOMの報告から判断すると、国際社会が厳しい反応を示して介入し、軍事政権の責任を問わない限り、ミャンマー南東部の人権侵害は野放しのままになるだろう。

それでも、アメリカでは最近ようやく、懸案の「ビルマ法」の法案が下院を通過した。この法案は、軍事政権への制裁を強化し、人権団体への支援を拡充させることを可能にするものだ。

世界の国々や国連機関は、ミャンマー軍事政権に対する国際的な武器禁輸、飛行禁止空域の設定、ミャンマーにおける人権侵害行為の国際刑事裁判所への付託に動くべきだ。

国際社会が積極的に行動しなければ、罪なき市民の命が奪われ続けることになる。

©2022 The Diplomat

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