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【映像】バンに乗ってハリコフの動物園を後にするカンガルーたち

2022年3月31日(木)20時20分
若道いつき
カンガルー

(写真はイメージです) jodie777-iStock

<ハリコフの動物公園「フェルドマン・エコパーク」は、動物たちの市外への避難を段階的に進めている>

戦争で避難を余儀なくされているのは市民だけではない。

8匹のカンガルーがバンに乗せられ、荷室に敷かれた干し草の上でじっとしている映像がフェイスブックに公開された。このカンガルーたちはウクライナ第2の都市ハリコフ郊外にある動物公園「フェルドマン・エコパーク」で飼育されていたが、砲撃から逃れるために安全な場所へと移動する必要があった。

2月24日にロシア軍の侵攻が始まって以来、国境にほど近いハリコフは激戦地となり、最も深刻な被害を受ける都市の一つとなっている。300種以上5000匹の動物を飼育するフェルドマン・エコパークも例外ではなく、何度となくロシア軍から砲弾を受けた。いくつかの囲いは破壊され、怪我を負ったり、死んだ動物もいる。

同園のフェイスブック投稿によると、動物たちを段階的に市外へと避難させているという。

動物愛護団体はウクライナ中の動物園の職員とともに動物の避難を進めており、すでに隣国に運ばれたものも多い。3月初頭には、キエフ近郊にある動物保護施設からトラとライオンが6頭ずつ、カラカル2匹、リオカン1匹が2日かけてポーランドへと移送された。ポズナン動物園の広報担当者マルゴルザタ・チョディラ氏はロイターに対し、「爆撃され通行不可能な道路を避け、無事到着した」と述べた。

しかし、多くの動物が今も国内に残されている。ネット上には、飢えやストレスから動物を守り、現地で世話を続ける職員を応援するコメントも多い。フェルドマン・エコパークには(30日の時点で)3.5万人から寄付が集まっているという。

「動物たちを救う勇敢なボランティアに従業員、そして私たちを財政的に支援し、救助活動を可能にしてくれる多くの心ある人々、企業、NGOに感謝しています」

(最新情報はフェルドマン・エコパークのフェイスブックページで確認することができる)

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