最新記事

米ロ対立

バイデン、プーチンのウクライナ侵攻想定「ロシアは大惨事に」 ドル取引停止を警告

2022年1月20日(木)09時13分
バイデン米大統領

バイデン米大統領(写真)はロシアのプーチン大統領がウクライナに軍事侵攻する意向だという見解を示した。ホワイトハウスで撮影(2022年 ロイター/Kevin Lamarque)

バイデン米大統領は19日、ロシアによるウクライナ侵攻を予測した上で、本格的に軍事侵攻すれば大きな代償を払うことになると語った。ロシア企業がドルで取引できなくなる可能性に言及した。

バイデン氏は就任1年に合わせて行った会見で「私の推測では、プーチン大統領はウクライナに侵攻する考えだろう」と述べた。

ロシアはウクライナ国境付近に約10万人の部隊を展開。西側はウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟を阻止するための戦闘準備とする一方、ロシアは侵攻の計画を否定している。

バイデン氏は3回目の米ロ首脳会談について「まだ可能だ」と指摘。ただ、ウクライナ問題が「制御不能になる恐れがある」と懸念していることも明かした。

プーチン氏が西側指導者の対応を試すだろうとした上で、ロシアへの対応はその侵攻規模や米国の同盟国の考えによると説明。

「ロシアが侵攻すれば、その責任を負うことになる。どういう行動を取るか次第だ」とし、「ウクライナにさらに侵攻するなら、ロシアにとって大惨事になるだろう」と述べた。

ホワイトハウスのサキ報道官はバイデン氏の会見後、「ロシア軍がウクライナとの国境を超えて移動すれば、それは侵攻であり、米国と同盟国は迅速に厳しく一致団結して対応する」と強調した。

米政府高官はNATO拡大が制限されることはないとみているが、バイデン氏は西側がウクライナに核兵器を配備しないという取り決めは可能との考えを示した。

ブリンケン米国務長官は19日、ウクライナを訪問し、ロシアが「極めて短い予告」でウクライナを攻撃する恐れがあるとの認識を示した。同時に、ロシアの意図が明確に把握できない中でも、米政府は可能な限り外交的解決策を模索すると述べた。

ブリンケン氏はウクライナ訪問後、21日にスイスのジュネーブでロシアのラブロフ外相と会談する。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2022トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・コロナ感染で男性器の「サイズが縮小」との報告が相次ぐ、「一生このまま」と医師
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・日本のコロナ療養が羨ましい!無料で大量の食料支援に感動の声
・コーギー犬をバールで殺害 中国当局がコロナ対策で...批判噴出


202404300507issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月30日/5月7日号(4月23日発売)は「世界が愛した日本アニメ30」特集。ジブリのほか、『鬼滅の刃』『AKIRA』『ドラゴンボール』『千年女優』『君の名は。』……[PLUS]北米を席巻する日本マンガ

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ロイターネクスト:米第1四半期GDPは上方修正の可

ワールド

バイデン氏、半導体大手マイクロンへの補助金発表 最

ビジネス

米国株式市場=下落、予想下回るGDPが圧迫

ワールド

中国の対ロ支援、西側諸国との関係閉ざす=NATO事
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:世界が愛した日本アニメ30
特集:世界が愛した日本アニメ30
2024年4月30日/2024年5月 7日号(4/23発売)

『AKIRA』からジブリ、『鬼滅の刃』まで、日本アニメは今や世界でより消費されている

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    中国の最新鋭ステルス爆撃機H20は「恐れるに足らず」──米国防総省

  • 3

    今だからこそ観るべき? インバウンドで増えるK-POP非アイドル系の来日公演

  • 4

    「すごい胸でごめんなさい」容姿と演技を酷評された…

  • 5

    未婚中高年男性の死亡率は、既婚男性の2.8倍も高い

  • 6

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 7

    心を穏やかに保つ禅の教え 「世界が尊敬する日本人100…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    やっと本気を出した米英から追加支援でウクライナに…

  • 10

    「鳥山明ワールド」は永遠に...世界を魅了した漫画家…

  • 1

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士が教えるスナック菓子を控えるよりも美容と健康に大事なこと

  • 2

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価」されていると言える理由

  • 3

    タトゥーだけではなかった...バイキングが行っていた「身体改造」の実態...出土した「遺骨」で初の発見

  • 4

    「世界中の全機が要注意」...ボーイング内部告発者の…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    医学博士で管理栄養士『100年栄養』の著者が警鐘を鳴…

  • 7

    ハーバード大学で150年以上教えられる作文術「オレオ…

  • 8

    「たった1日で1年分」の異常豪雨...「砂漠の地」ドバ…

  • 9

    NewJeans日本デビュー目前に赤信号 所属事務所に親…

  • 10

    「誹謗中傷のビジネス化」に歯止めをかけた、北村紗…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の瞬間映像をウクライナ軍が公開...ドネツク州で激戦続く

  • 4

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 5

    最強生物クマムシが、大量の放射線を浴びても死なな…

  • 6

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこ…

  • 7

    「おやつの代わりにナッツ」でむしろ太る...医学博士…

  • 8

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 9

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 10

    世界3位の経済大国にはなれない?インドが「過大評価…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中