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災害

空爆のように街が破壊された... 何が起きたか本当に知らないんですか?【ケンタッキー州竜巻ルポ】

My Devastated Neighborhood

2021年12月20日(月)15時55分
モリー・マッカフリー(米ケンタッキー州在住ライター)

自分たちのことがニュースになっているいるのに、そのニュースに接することができない。なんだか不思議だ。

自宅周辺のことは分かるが、町の向こう側の様子はほとんど知らない。携帯でネットに接続できるのは1日にほんの数分だけ。情報は断片的だ。

ある友人は、地下室に避難している間に家が全壊した。数キロ先では家々が軒並み破壊された。友人の友人は寝室から放り出された。何十軒もの商店が破壊された。

私たちの町では15人の死亡が確認された。まだ行方不明の人も十数人いるらしい。

ネットを使えないから、直接に人と会って聞く話がほとんど。生涯で最も強烈な体験によって、私たちはこれまで以上に地域社会とのつながりが深まった。

私は気付いた。今まではニュースで見るだけだったけれど、今度は自分たちが被災者。そしてこれから被災者としての暮らしが始まる。

嵐は去っても、その傷痕は物理的にも心理的にも、この先ずっと残る。それを受け入れて、私たちは生きる。

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