最新記事

米中対立

ホワイトハウス、北京冬季五輪の外交ボイコットを発表

2021年12月7日(火)09時09分
アメリカと中国の国旗

ホワイトハウスのサキ報道官は6日の定例記者会見で、米国は来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しないと発表した。(2021年 ロイター/Yuri Gripas)

ホワイトハウスのサキ報道官は6日の定例記者会見で、米国は来年2月の北京冬季五輪に外交使節団を派遣しないと発表した。

報道官は「バイデン政権は北京冬季五輪に外交使節団や当局者を派遣しない。新疆ウイグル自治区での虐殺や人権侵害が理由だ」と述べた。

ただ、米国選手団の派遣には影響せず、選手らを全面的に支援すると表明した。

米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)の最高経営責任者(CEO)、サラ・ハーシュランド氏は、外交ボイコットに関する発表後に声明で、米国選手団は「米国の誇りになる準備ができている」とし、「米大統領および米政権の揺るぎない支援に大いに感謝しており、冬季五輪を自国から応援してくれると確信している」と述べた。

サキ報道官によると、米国は今回の決定を同盟国に伝えたが、同盟国も外交ボイコットを実施するかどうかは各国の判断に委ねられているとした。

米国務省のプライス報道官は、バイデン政権は米企業が外交ボイコットに参加することを望んでいるかとの質問に対し、「民間企業に対しては新疆ウイグル自治区を巡る状況を十分認識し、完全な情報を基に行動することを望んでいる」とした上で、民間企業が採用すべき活動を指示するのは米政府の役割ではないとした。

中国の在米大使館の報道官は米国の外交ボイコット表明を受け、電子メールで「こうした思い上がった行為は政治的な操作でしかなく、オリンピック憲章の精神を著しく歪める」と非難。「米国の政治家に招待状は全く送られていない。このため『外交ボイコット』にはそもそも根拠がない」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・中国の不動産バブルは弾けるか? 恒大集団の破綻が経済戦略の転換点に
・中国製スマホ「早急に処分を」リトアニアが重大なリスクを警告
・武漢研究所、遺伝子操作でヒトへの感染力を強める実験を計画していた



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米ブラウン大銃撃、当局が20代の重要参考人拘束

ワールド

中国、「持続可能な」貿易促進 輸出入とも拡大と党幹

ワールド

中国、鉄鋼に輸出規制 1月から許可制に

ワールド

米政権のAI州規制阻止、政治・法律面で執行にハード
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
特集:ジョン・レノン暗殺の真実
2025年12月16日号(12/ 9発売)

45年前、「20世紀のアイコン」に銃弾を浴びせた男が日本人ジャーナリストに刑務所で語った動機とは

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の展望。本当にトンネルは抜けたのか?
  • 2
    香港大火災の本当の原因と、世界が目撃した「アジアの宝石」の終焉
  • 3
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 4
    南京事件を描いた映画「南京写真館」を皮肉るスラン…
  • 5
    極限の筋力をつくる2つの技術とは?...真の力は「前…
  • 6
    身に覚えのない妊娠? 10代の少女、みるみる膨らむお…
  • 7
    トランプが日中の「喧嘩」に口を挟まないもっともな…
  • 8
    大成功の東京デフリンピックが、日本人をこう変えた
  • 9
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出…
  • 10
    世界最大の都市ランキング...1位だった「東京」が3位…
  • 1
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だから日本では解決が遠い
  • 2
    【衛星画像】南西諸島の日米新軍事拠点 中国の進出を睨み建設急ピッチ
  • 3
    デンマーク国防情報局、初めて米国を「安全保障上の脅威」と明記
  • 4
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 5
    【銘柄】資生堂が巨額赤字に転落...その要因と今後の…
  • 6
    【クイズ】「100名の最も偉大な英国人」に唯一選ばれ…
  • 7
    中国軍機の「レーダー照射」は敵対的と、元イタリア…
  • 8
    人手不足で広がり始めた、非正規から正規雇用へのキ…
  • 9
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」…
  • 10
    首や手足、胴を切断...ツタンカーメンのミイラ調査開…
  • 1
    東京がニューヨークを上回り「世界最大の経済都市」に...日本からは、もう1都市圏がトップ10入り
  • 2
    高速で回転しながら「地上に落下」...トルコの軍用輸送機「C-130」謎の墜落を捉えた「衝撃映像」が拡散
  • 3
    日本人には「当たり前」? 外国人が富士山で目にした「信じられない」光景、海外で大きな話題に
  • 4
    「999段の階段」を落下...中国・自動車メーカーがPR…
  • 5
    【銘柄】オリエンタルランドが急落...日中対立が株価…
  • 6
    「髪形がおかしい...」実写版『モアナ』予告編に批判…
  • 7
    日本の「クマ問題」、ドイツの「問題クマ」比較...だ…
  • 8
    膝が痛くても足腰が弱くても、一生ぐんぐん歩けるよ…
  • 9
    インド国産戦闘機に一体何が? ドバイ航空ショーで…
  • 10
    ポルノ依存症になるメカニズムが判明! 絶対やって…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中