最新記事

中国共産党

謎の失踪から3年、孟宏偉ICPO前総裁の妻が「中国政府は怪物」と痛烈批判

Wife of Missing Chinese Official Calls Government a 'Monster'

2021年11月19日(金)17時10分
アリス・メスマー

中国共産党は2019年、孟の党籍を剥奪したと発表した。その際、孟は職権を乱用し、家族に「ぜいたくな暮らし」を送らせ、妻が個人的な利益のために夫の権限を使うことを認めたと説明した。2020年1月には裁判所が、孟は200万ドル以上の賄賂を受け取った罪で、13年6カ月の実刑を言い渡されたと発表した。本人も罪を認め、後悔の念を表したとされた。

グレースは、すべての申し立てがでっち上げだと考えている。夫が公職を追われ、失踪することになったのは、夫が自身の高い地位を使って、変革を推し進めようとしたためだと考えているのだ。

「私はすでに、これ以上ないほどの悲しみに包まれている。もちろん、子供たちにとっても、同じくらい残酷な出来事だ」と、グレースは語る。また彼女は、政府を「怪物」と呼んだ。「彼らは自分の子供たちを食い殺す」

中国名は使わなくなった

中国に批判的な人々は世界中に存在し、その多くが、2022年に北京で開催される冬季五輪に反対している。グレースもその一人だ。彼女は、関係者として内側の世界にいたが、今は元関係者として外側から見ている。

あまりに重大な変化が起きたため、グレースは自身の中国名ガオ・ジェ(Gao Ge)をほとんど使わなくなった。自分で選んだグレースと、夫の姓であるメンの方が自分らしいと考えている。「私は、一度死んで生まれ変わった」と、彼女は語る。

グレースの生家も、中国政府とつながりがある。母親が、全国人民代表大会の諮問機関で働いていたのだ。そして、生家の人々も政治的なトラウマを経験している。1949年に共産党政権が成立した後、グレースの祖父は事業資産を剥奪され、強制労働収容所に送られたという。

歴史は繰り返す、とグレースは言う。現在の自身の状況は「もちろん、私たちの家族にとって大きな悲劇であり、大きな苦しみの源だ」という。「しかし現在の中国では、非常に多くの家族が、私と同じような運命に直面していることを私は知っている」
(翻訳:ガリレオ)

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

ボーイング、「787」エンジニア業務をサウスカロラ

ワールド

インドネシア第4四半期GDP、前年比5.39%増 

ワールド

フィリピンCPI、1月前年比+2.0% 11カ月ぶ

ビジネス

ボーイング、「787」エンジニア業務をサウスカロラ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプの帝国
特集:トランプの帝国
2026年2月10日号(2/ 3発売)

南北アメリカの完全支配を狙うトランプの戦略は中国を利し、世界の経済勢力図を完全に塗り替える

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 2
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染拡大する可能性は? 感染症の専門家の見解
  • 3
    エプスタインが政権中枢の情報をプーチンに流していた? 首相の辞任にも関与していた可能性も
  • 4
    グラフが示す「米国人のトランプ離れ」の実態...最新…
  • 5
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 6
    ユキヒョウと自撮りの女性、顔をかまれ激しく襲われ…
  • 7
    米戦闘機、空母エイブラハム・リンカーンに接近した…
  • 8
    トランプ不信から中国に接近した欧州外交の誤算
  • 9
    アジアから消えるアメリカ...中国の威圧に沈黙し、同…
  • 10
    電気代が下がらない本当の理由――「窓と給湯器」で家…
  • 1
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 2
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 3
    180万トンの「リチウムごみ」を資源に...EV電池の「副産物」で建設業界のあの問題を解決
  • 4
    日本への威圧を強める中国...「レアアース依存」から…
  • 5
    ロシア軍の前線で「弾よけ」にされるアフリカ人...兵…
  • 6
    「出禁」も覚悟? ディズニーランドで緊急停止した乗…
  • 7
    致死率は最大75%のニパウイルスが、世界規模で感染…
  • 8
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
  • 9
    町長を「バズーカで攻撃」フィリピンで暗殺未遂、大…
  • 10
    高市首相の発言は正しかった...「対中圧力」と「揺れ…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?【2025年の話題クイズ5選】
  • 2
    【クイズ】致死率50~75%...インドで感染拡大「ニパウイルス」の感染源となる動物は?
  • 3
    中国製防空レーダーは米軍のベネズエラ攻撃に屈した──台湾高官が分析
  • 4
    セーターが消えた冬 ── 暖かさの主戦場が「インナー」…
  • 5
    高市積極財政にアメリカが慌てる理由
  • 6
    【クイズ】世界で唯一「蚊のいない国」はどこ?【202…
  • 7
    海上自衛隊が水中無人機(UUV)を導入 中国の海軍拡…
  • 8
    【クイズ】本州で唯一「クマが生息していない県」は…
  • 9
    防衛省が「新SSM」の映像を公開、ノルウェー・コング…
  • 10
    中国で大規模な金鉱脈の発見が相次ぐ...埋蔵量は世界…
トランプ2.0記事まとめ
Real
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中